2005 Fiscal Year Annual Research Report
急性呼吸促迫症候群の発症機序における有機陽イオントランスポーターの役割について
Project/Area Number |
16590749
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小笠原 正人 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00325367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
齊藤 正一郎 岐阜大学, 応用生物学部, 助教授 (60325371)
前山 一隆 愛媛大学, 医学部, 教授 (00157158)
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Keywords | 急性呼吸促迫症候群 / 有機陽イオントランスポーター / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
急性呼吸促迫症候群(ARDS)はさまざま原因によって引き起こされるが、その多くの病態に共通したものは肺水腫、肺胞上皮の破壊、肺毛細血管の透過性の亢進で、ステロイド、抗ヒスタミン薬、βアドレナリン受容体刺激薬などが使われる。これらの事実からヒスタミン、カテコラミンの関与が推定され、研究代表者(小笠原)はARDS病態モデル(LPS誘発性エンドトキシン血症モデル)における神経外組織で主に発現する有機陽イオントランスポーター(OCT3)が組織ヒスタミン濃度の調節に重要な役割を果たすことが考えられ、その役割を検討した。Wild typeとOCT3遺伝子欠損マウスを用いて主な組織のヒスタミン濃度を比較検討した。肺、心臓、腎臓では有意差を認めなかったが、脾臓ではOCT3遺伝子欠損マウスで有意な上昇が認められた。リポポリサッカライド(LPS;20mg/kg)を腹腔内投与し、エンドトキシン血症誘発性ARDSモデルを作製した。5時間ごとの生存率を比較検討した結果、OCT3遺伝子欠損マウスでは生存率の低下が認められた。脾臓でのヒスタミン濃度の上昇は自律神経と免疫との接点にも関与していると考えられ、Tリンパ球でのTh1/Th2バランスを変化させる可能性が考えられ、マクロファージから分泌される炎症性サイトカインの種類、濃度が生存率の有意差に反映したと予想された。本研究成果は日本薬理学会年会2005年3月24日シンポジウム、およびアレルギー学会秋季大会シンポジウムで報告した。
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Research Products
(1 results)