2004 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌性慢性気道感染症の新しい制御機構Twitching motilityの解析
Project/Area Number |
16590756
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
門田 淳一 大分大学, 医学部, 助教授 (50233838)
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Keywords | 緑膿菌 / twitching motility / バイオフィルム / interferon-γ / interletukin-4 / RANTES / Th1細胞 / Th2細胞 |
Research Abstract |
Pseudomonas aeruginosaのtwitching motility能欠損株であるΔpilHIJKとその野生株であるPAO-1を用いて緑膿菌慢性気道感染モデルを作成し、その病原性について比較検討した。血管内留置カテーテル針の外筒チューブを3mm長に切り、各々の生食菌体浮遊液に3日間浸した後、菌体が付着したチユーブをBalb/Cjマウス(12週齢、♀)の気管支内に留置して感染モデルを作成した。これらの株の病原性は、経時的に生存率および生体内でのbiofilm形成能や肺内サイトカインの動態を検討することで評価した。Biofilmの定量は、マウスの気管支内からチューブを回収しクリスタルバイオレット法にて行った。また、両肺をhomogenizeした後、その抽出液中のサイトカイン濃度を測定した。その結果、1)マウスの死亡率は野生株群の方が有意に高かった(P<0.05)。2)チューブ上のbiofilm量は各時点での両群間に有意差はなかった。3)肺抽出液中のIFN-γ/IL-4比の検討では13週目において野生株群の方が欠損株群より有意に低く、4)βケモカインであるRANTESも同様に野生株群の方が低かった。これらのことより、twitching motilityがRANTESの産生を介して宿主免疫反応をTh2細胞優位に誘導し、それが生存率低下と関連しており、緑膿菌性慢性気道感染症の病態形成に重要であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)