2004 Fiscal Year Annual Research Report
生理的環境及び炎症性肺疾患病態下における肺内幹細胞動態とそのホーミング機序の解明
Project/Area Number |
16590760
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
斎藤 史武 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30338040)
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Keywords | 組織幹細胞 / 急性肺損傷 / ケモカイン |
Research Abstract |
1.マウス、ラットの炎症性肺疾患モデルにおける、肺局所幹細胞マーカーの発現、及び幹細胞のホーミングに関連するメディエータ特にケモカインと、MMP等の解析: (1)マウス塩酸吸入急性肺損傷モデル:本年度は、モデルを確立するため、種々の濃度、量の塩酸を経気道的に留置、または噴霧し、肺の病理組織所見を経時的に観察することで、至適塩酸濃度、量を検討した。また、正常肺における組織幹細胞の有無を調べるため、他臓器の組織で幹細胞マーカーとされる複数の抗体で染色したところ、複数の陽性マーカーを見いだしたため、現在サイトケラチンなど細胞特異的マーカーとの二重染色を行い、陽性細胞の種類を同定中である。 (2)ラット放射線肺臓炎/肺線維症モデル:ラット肺へ放射線を照射後、経時的病理像、ハイドロキシプロリン含有量を指標とした線維化の進展を観察した。さらに(1)と同様の手法により幹細胞マーカーによる染色を開始した。 (3)マウス熱傷後敗血症性急性肺損傷モデル:マウスに約30%のIII度熱傷を作成、7〜11日後に細菌内毒素を投与し、急性肺損傷を惹起する系において、熱傷前負荷による予後の不良化を再確認した。また熱傷前負荷群では、細菌内毒素投与後の肺組織中ケモカインMDC, TARC値が有意に高値をとることを見いだし、現在追加実験にて確認中である。今後これらケモカインに対する拮抗薬の投与も計画している。 2.マウスを用いた、肺及び骨髄からの多能性幹細胞、side population (SP)細胞分離技術の確立と、同細胞のフェノタイプ、特にケモカイン受容体発現の解析:初年度は、肺組織からのSP細胞の分離技術を確立するため、肺スライスの方法、使用するcollagenase等酵素の選定と至適濃度、処理時間、などを検討し、全肺細胞中0.3%程度のSP細胞を得ることに成功した。
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Research Products
(8 results)