2005 Fiscal Year Annual Research Report
生理的環境及び炎症性肺疾患病態下における肺内幹細胞動態とそのホーミング機序の解明
Project/Area Number |
16590760
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 史武 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30338040)
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Keywords | 組織幹細胞 / 放射線肺臓炎 / 急性肺損傷 / Side Population細胞 |
Research Abstract |
(1)マウス炎症性肺疾患モデルにおける、肺局所幹細胞マーカーの発現、及び幹細胞のホーミングに関連するメディエータの解析: マウス塩酸吸入急性肺損傷モデルを用いて、昨年に引き続き、正常、急性肺損傷時の局所幹細胞動態解析を、主にMusashi-1をマーカーとして行った。その結果、肺傷害の惹起後、経時的に肺気管支領域を中心としたMusashi-1陽性細胞の増加を認めた。Musashi-1は元々神経領域の幹細胞マーカーとして見いだされたが、その後他臓器の上皮幹細胞にも発現していることが確認されており、肺上皮細胞傷害後の組織修復・再生に局所幹細胞が関与していることを示唆する所見と考えた。今後Musashi-1発現抑制などの手法を用いた局所幹細胞枯渇が肺損傷後の組織修復・再生へ与える影響を検討予定である。 (2)マウスを用いた、肺及び骨髄からの多能性幹細胞、Side Population (SP)細胞分離技術の確立と、同法を用いたin vivo肺SP細胞定量: SP細胞の分離法を色々と工夫し、さらに収率の良い分離条件を探索した。全肺組織を様々な濃度の組織融解酵素(コラゲネース、ジェラチネース)を加えて種々の時間インキュベートし、その後ホモジェネートして得られた細胞から、高性能セルソータを用いてHoechst 33258色素高排出能を有するSP細胞の分離を行った。SP細胞の収率は0.05〜0.8%と非常に少なく、かつばらついていたため、正常時と肺傷害時のSP細胞数の変化を本解析法で明らかにすることはできなかったが、上記(1)と同様肺における幹細胞の存在を明らかにすることができた。今後同細胞の由来を明らかにするため、骨髄幹細胞枯渇後の肺SP細胞を解析予定である。
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Research Products
(7 results)