2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺リンパ脈管筋腫症(LAM)におけるLAM細胞の増殖・転移機構の解明
Project/Area Number |
16590762
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
瀬山 邦明 順天堂大学, 医学部, 講師 (10226681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊坂 利夫 順天堂大学, 医学部, 講師 (00286709)
岩神 真一郎 順天堂大学, 医学部, 講師 (80311984)
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Keywords | リンパ脈管筋腫症 / 癌抑制遺伝子 / 初代培養 / 増殖因子 / 増殖抑制因子 / 女性ホルモン |
Research Abstract |
肺リンパ脈管筋腫症(LAM)は、肺、腎、体軸リンパ節等に平滑筋様細胞(LAM細胞)が不連続性に増殖する疾患である。LAM細胞は、癌抑制遺伝子の一種であるTSC遺伝子の変異により増殖・分化に異常を生じ形質転換した一種の腫瘍細胞であるが、病理形態学的に癌ほどの悪性度は認めないにもかかわらず転移して新たな病巣を形成する。本年度は、LAM細胞の増殖・転移の機序を明らかにするため、LAM細胞を分離し初代培養系を確立した。患者の同意のもとに、肺移植や病理診断確定目的の生検時に得られた病変肺組織、腹腔リンパ節のLAM病変、乳糜胸水・腹水を、LAM細胞分離のための試料として使用した。肺組織は実体顕微鏡下に観察し直接LAM病変結節と思われる部位を採取し、SmBM培養液内でoutgrowth法で培養した。乳糜胸腹水からは顕微鏡で観察しながら直接LAM細胞クラスターを採取し培養を開始した。培養条件は5%O_2の低酸素条件でLAM細胞の増殖が良好であった。現在までに肺組織から4例、乳糜胸腹水から3例、腹腔リンパ節のLAM病変から1例でLAM細胞と考えられる細胞の分離に成功し、子宮正常平滑筋細胞、子宮筋腫細胞を対照として、増殖因子(17β-estradiol)、増殖抑制因子(rapamycin, PDGF-R blocker, EGF-R blocker)の作用を比較検討している。また、培養したLAM細胞をヌードマウスの腹腔や肺内に直接注入してヒトと同じLAM病変を再現出来るかどうか検討している。
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Research Products
(12 results)