2004 Fiscal Year Annual Research Report
進行性腎障害における抗酸化酵素の発現制御機構の解明
Project/Area Number |
16590773
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
今田 恒夫 山形大学, 医学部, 助手 (60333952)
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Keywords | aldose reductase / aldehyde reductase / acrolein / 4-hydroxynonenal / oxidative stress / nephrectomy |
Research Abstract |
進行性腎障害を呈する5/6腎摘ラット(Nx)とshamラット(sham)を作成し、処置8週間後に、免疫染色にて酸化物質(8-OHdG、acrolein、4-hydroxynonenal)や抗酸化酵素(Aldose reductase, Aldehyde reductase)の発現を比較検討した。sham群において、8-OHdG、acrolein、4-hydroxynonenal等の酸化物質は軽度の発現を認めたが、Nx群では腎不全の進行とともにこれらの発現は亢進し、主に遠位尿細管から集合管にかけてその局在を認めた。抗酸化酵素(Aldose reductase,Aldehyde reductase)の発現も、sham群に比較して、Nx群では腎障害の進行とともに亢進していた。Sham群、Nx群ともに、Aldose reductaseは主に遠位尿細管から集合管に、Aldehyde reductaseは主に近位尿細管への局在を認めた。これらのことから、5/6腎摘による進行性腎障害では、主に遠位尿細管から集合管にかけて、酸化物質の発現が亢進し、それに対応してAldose reductaseなどの抗酸化酵素の発現が亢進している可能性が示唆された。 次に、培養尿細管細胞であるNRK-E細胞を過酸化水素で処理し、抗酸化酵素の発現をWestern blot法にて検討した。Aldose reductase、Aldehyde reductase発現は過酸化水素投与によって容量依存的に亢進していた。このことから、in vitroでも、尿細管細胞において酸化ストレスによって抗酸化酵素発現が亢進することが示唆された。
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Research Products
(1 results)