2005 Fiscal Year Annual Research Report
klotho遺伝子による腎保護作用の機序解明と腎不全治療への応用
Project/Area Number |
16590776
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 勇一郎 群馬大学, 医学部, 助手 (30344922)
|
Keywords | klotho遺伝子 / 血管内皮 / 酸化ストレス / 加齢 / 石灰化 |
Research Abstract |
実験1:Elongation factor-1プロモーターを用いて、klotho遺伝子を大量発現するトランスジェニックラットを開発した。このklotho遺伝子過剰発現トランスジェニックラット(tg)を用いて、血管内皮機・・・ルコリン対する血管反応性)と酸化ストレスを検討した。 6-10週令では、心臓、腎臓、大動脈等の組織には明らかな差はなく、血圧も正常であった。その後飼育を続け、18ヶ月令で解析をおこなった。tgの収縮期血圧は142±11mmHgであり、・・・血圧(136±5mmHg)に比べ、高い傾向が見られた。尿中の一酸化窒素代謝物はtgにおいて21.5±4.2mmol/dayであり、野生型(11.2±2.0mmol/day)比べ有意に高値であった(n=10,P<0.05)。酸化ストレスの指標であるisoprostane(8-iso prostaglandin F2 alpha)は、tg(102±4pg/ml Cr)で、野生型(145±6pg/ml Cr)より有意に低値であった(n=9,P<0.01)。大動脈における内皮依存性血管弛緩は、トランスジェニックラットで有意によかった(54±5%・・・3%,n=11,p<0.05)。 実験2:ラット大動脈平滑筋細胞(RASMC)にFGF-2を添加すると、オステオポンチン(OPN)、オステオカルシン(OCN)のmRNAが増加し、逆にSMα-actinのmRNAが減少した。また、ルシフェラーゼアッセイでFGF-2はOPN、OCNプロモーターの活性を増加した。また、FGF-2はRASMCにおいて活性酸素種を産生させた。NAC、AEBSFなどの抗酸化剤によりFGF-2によるERKI/2の活性化と、OPN遺伝子の誘導が抑制されることから、FGF-2による血管平滑筋細胞の骨芽細胞分化には活性酸素種の産生が重要と考えられた。
|
Research Products
(5 results)