2005 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシス受容体メガリンによる尿毒素蛋白代謝の分子機序と細胞治療への応用
Project/Area Number |
16590782
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
斉藤 亮彦 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員助教授 (80293207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 徹朗 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (10361924)
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Keywords | メガリン / AGE / L-FABP / 細胞移植 / 尿毒素蛋白 / 羊膜上皮細胞 |
Research Abstract |
1)エンドサイトーシス受容体メガリンが、尿毒素蛋白の一種であるadvanced glycation endproducts(AGE)と直接結合することを、水晶発振子マイクロバランス法を用いて示した(論文1)。 2)さらに、メガリンが、近位尿細管上皮細胞において、糸球体を濾過する肝型脂肪酸結合蛋白(liver-type fatty acid binding protein, L-FABP)と結合し、再吸収・代謝するための受容体であることを明らかにした(論文2)。これは、L-FABPを介して、脂肪酸を含む疎水性分子を、肝臓から腎臓に運搬する新しい経路を見出したことを意味する。私たちはまた、L-FABPは肝障害に伴って血液中に逸脱することを明らかにした。L-FABPのリガンドのなかには、様々な腎毒性分子が含まれるため、肝障害に伴って腎障害が引き起こされる機序にも関連する可能性がある。さらに腎不全においては、L-FABPが血液中に蓄積する可能性もあり、新たな尿毒素蛋白として作用することも考えられる。 3)メガリンを介する腎臓の蛋白代謝の過剰負荷が糖尿病・メタボリックシンドロームに関連する腎症の発症に関係することを示した(論文3)。 4)メガリンを発現する細胞を腎不全における尿毒素蛋白代謝治療を目的とした移植療法に応用するため、羊膜上皮細胞の利用を検討した。さらに、メガリン遺伝子発現細胞の樹立を進め、メガリン全長遺伝子を一過性に発現・機能させることに成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Evidence for megalin-mediated proximal tubular uptake of L-FABP, a carrier of potentially nephrotoxic molecules.2005
Author(s)
Oyama Y, Takeda T, Hama H, Tanuma A, Iino N, Sato K, Kaseda R, Ma M, Yamamoto T, Fujii H, Kazama JJ, Odani S, Terada Y, Mizuta K, Gejyo F, Saito A
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Journal Title
Lab Invest 85
Pages: 522-531
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[Journal Article] Role of megalin, a proximal tubular endocytotic receptor, in the pathogenesis of diabetic and metabolic syndrome-related nephropathies2005
Author(s)
Saito A, Takeda T, Hama H, Oyama Y, Sato K, Tanuma A, Kaseda R, Ueno M, Nishi S, Ogasawara S, Gondaira F, Suzuki Y, Gejyo F
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Journal Title
Nephrology 10 Suppl 2
Pages: S26-S31
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