2004 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体上皮細胞障害時における接着阻害分子ポドカリキシンとアダプター蛋白の役割
Project/Area Number |
16590783
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
竹田 徹朗 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員助手 (10361924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 亮彦 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員助教授 (80293207)
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Keywords | 腎糸球体 / 蛋白質相互作用 / リン酸化蛋白 / アダプター蛋白 |
Research Abstract |
糸球体上皮細胞の頂側に発現している陰性荷電分子ポドカリキシンは、アダプター蛋白(エズリン、NHERF2)を介して細胞内骨格と密接に繋がっており、腎臓の濾過機能を保つのに寄与している。その結合・解離メカニズムを明らかにするため、1)これら3分子(ポドカリキシン/NHERF2/エズリン)のリン酸化状態が複合体の安定性に関連するかを明らかにし、2)NHERF2のPDZ1に結合する蛋白を同定し、複合体安定に寄与するかどうか検討した。 1 ポドカリキシン/NHERF2/エズリン分子のリン酸化状態と糸球体障害との関係 ポドカリキシンの細胞内ドメイン、NHERF2、エズリンはいずれもリン酸化を受けるアミノ酸残基が存在する。正常ラットおよび腎臓病モデルラットの腎糸球体を単離した後、それぞれの蛋白を免疫沈降法および低圧クロマトグラフィーを用いて精製し、リン酸化蛋白を検出するシステムを用いて病的状態でのそれぞれのリン酸化の変化を検討した。病的状態ではエズリンは脱リン酸化を受け、同時に複合体から解離していた。 2 アダプター蛋白NHERF2のPDZ1に結合する蛋白の同定 NHERF2の1番目のPDZドメイン(PDZ1)に結合する蛋白を同定するため、酵母2ハイブリッドシステムとラット糸球体由来cDNAライブラリーを用いて、NHERF2のPDZ1領域cDNAをbaitとしてスクリーニングを行った。得られた陽性クローンcDNAのシークエンスを決定したところ、NHERF2のPDZ1そのものであった。GST pull-down法と免役共沈によりNHERF2のPDZ1同士が結合することを確認した。病的状態のラット腎糸球体においてはその結合が減弱していた。
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