2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590789
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮崎 正信 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10246100)
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Keywords | 腹膜硬化症 / HSP47 / RNA干渉 / 腹膜中皮細胞 / 腹膜再生 |
Research Abstract |
実験的腹膜硬化症の線維化抑制の試み;RNAi(RNA干渉)を用いた検討 〓昨年までの概要 〓実験的腹膜硬化症をmiceの腹腔内にクロールヘキシジンを投与して作成した。 〓 HSP47に対するsiRNAを作成し、これを腹腔内に投与前に投与し、その後クロールヘキシジンにて腹膿硬化症を惹起した。 〓 HSP47 siRNA投与群は、有意に腹膜肥厚を抑制されており、HSP47,SMA, TGF-βの発現とマクロファージ浸潤が抑えられていた。 〓 siRNAによる抑制効果増強のためのベクターの使用 ・陽性荷電のカチオン化ゼラチン粒子(京都大田畑教授より供与)をベクターとして用いてHSP47に対するsiRNAを投与した。 【結果】ベクターなしでは、7日を過ぎるとsiRNAによる腹膜硬化抑制効果は認められなかったが、ベクター使用群では、3週間までその効果は持続した。 『結論』RNA干渉によるコラーゲン特異的シャペロンHSP47抑制により実験的腹膜硬化症の進展抑制に成功した。 HSP47が腹膜硬化症の治療標的分子となりうると共に、遺伝子治療の際のベクターの重要性が示唆された。 腹膜中皮細胞の再生の検討 〓 実験的腹膜硬化症を用いた検討 ・作成した後に、肥厚部を鈍的に剥離し、その後の腹膜の状態を光学顕微鏡および種々の細胞表面マーカーを用いて検討した。 【結果】剥離された腹膜中皮細胞は、剥離後7日後に再生が認められた。表面マーカーの検討より、マクロファージ浸潤が腹膜表面に認められた後、間葉系細胞のマーカーであるビメンチン陽性細胞が出現し、その後、腹膜中皮細胞マーカー陽性細胞が認められた。 『結論』腹膜中皮細胞の再生は腹膜硬化の状態でも認められ、その経過には、間葉系細胞が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)