2004 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性運動障害の機能回復に関与する皮質-脊髄運動調節機構の再構築に関する研究
Project/Area Number |
16590820
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森田 洋 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (10262718)
|
Keywords | パーキンソン病 / 脊髄反射 / 経頭蓋磁気刺激 / 腱反射 / α-γ運動連関 / 随意運動 / 運動準備 |
Research Abstract |
パーキンソン病の運動障害は大脳基底核の異常に起因するが,随意運動調節障害は大脳皮質からの運動コマンドの皮質レベルでの障害,基底核での障害,脊髄レベルでの障害にわけられる.本研究ではそれぞれに関与する系統について脊髄反射,経頭蓋磁気刺激を用いて系統的に研究することを目的としている. 経頭蓋磁気刺激を条件刺激として脊髄反射を試験反射として検討することは先行研究としてパーキンソン病における異常を報告したが,本研究では大脳連発刺激を用いて,さらに随意運動開始に先行した刺激を行う事を主目的としている.本年度は随意運動に先行した刺激を行い,それを記録し運動開始との時間間隔を正確に記録することを正常者を対象に確立することを目指した.施行回数が多ければ十分な結果を得られるが,パーキンソン病をもつ患者での実施は困難であり,効率的に少ない施行で十分な記録を得るための手法の確立を行った.来年度以降記録をパーキンソン病をもつ患者においても行う予定である. また,脊髄レベルでの統合に関しては,電気的に誘発したH反射と腱叩打によるT波の関係を系統的に研究した.パーキンソン病ではT波はH反射と比して正常者よりも大きく,その傾向は随意収縮中に著しかった.これは脊髄での随意運動遂行中の運動調節異常を示しており,α-γ運動連関などの脊髄レベルでの調節異常がパーキンソン病では障害されており,それが随意運動障害の原因となっている可能性が示された.
|
Research Products
(2 results)