2005 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性運動障害の機能回復に関与する皮質-脊髄運動調節機構の再構築に関する研究
Project/Area Number |
16590820
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森田 洋 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (10262718)
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Keywords | パーキンソン病 / 痙縮 / 脊髄反射 / 腱反射 / α-γ運動連関 / Ib抑制 |
Research Abstract |
パーキンソン病の運動障害は大脳基底核の異常に起因するが,随意運動調節障害は大脳皮質からの運動コマンドの皮質レベルでの障害,基底核での障害,脊髄レベルでの障害にわけられる.一方,痙縮における筋緊張異常は脊髄神経機構への上位中枢からの調節障害である.本研究ではそれぞれに関与する系統について脊髄反射,経頭蓋磁気刺激を用いて系統的に研究することを目的としている. パーキンソン病における脊髄レベルでの統合に関して,電気的に誘発したH反射と腱叩打によるT波の関係を系統的に研究した。パーキンソン病ではT波はH反射と比して正常者よりも大きく,その傾向は随意収縮中に著しかった。これは、脊髄での随意運動遂行中の運動調節異常を示しており、α-γ運動連関などの脊髄レベルでの調節異常がパーキンソン病では障害されており,それが随意運動障害の原因となっている可能性が示された. 痙縮においてはIb介在神経細胞が歩行との関連で動物実験では注目されているが,今研究では痙性対麻痺における随意運動中のIb抑制経路の活動を検討した.安静時のIb抑制は正常と同様であったが,正常者で増加する随意運動中のIb抑制の増加が痙性対麻痺を持つ患者ではこれが減少していた.また,増加が少ない患者ほど10m歩行に要する時間が延長していた.これは痙縮における中枢性調節機構の脱落が運動障害と関連していることを示している. 次年度は運動開始に先行する神経機構についての検討を行う.
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Research Products
(3 results)