2006 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性運動障害の機能回復に関与する皮質-脊髄運動調節機構の再構築に関する研究
Project/Area Number |
16590820
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森田 洋 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (10262718)
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Keywords | パーキンソン病 / 痙縮 / 脊髄反射 / 腱反射 / α-γ運動連関 / Ib抑制 / てんかん障害 |
Research Abstract |
パーキンソン病の運動障害は大脳基底核の異常に起因するが,随意運動調節障害は大脳皮質からの運動コマンドの皮質レベルでの障害,基底核での障害,脊髄レベルでの障害にわけられる.一方,痙縮における筋緊張異常は脊髄神経機構への上位中枢からの調節障害である.本研究ではそれぞれに関与する系統について脊髄反射,経頭蓋磁気刺激を用いて系統的に研究することを目的としている. 痙縮においてはIb介在神経細胞が歩行との関連で動物実験では注目されているが,今研究では痙性対麻痺における随意運動中のIb抑制経路の活動を検討した.安静時のIb抑制は正常と同様であったが,正常者で増加する随意運動中のIb抑制の増加が痙性対麻痺を持つ患者ではこれが減少していた.また,増加が少ない患者ほど10m歩行に要する時間が延長していた.これは痙縮における中枢性調節機構の脱落が運動障害と関連していることを示している. また,これらの研究を行う中で,いわゆる心因性運動障害と器質性中枢性運動障害がこれらの研究方法を用いることで判別できることが示された.これは皮質内での運動プログラミングの形成が無意識的に抑制されているために生じている可能性がある.これは中枢性運動障害の発生機序を考える上でも重要な所見である.
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Research Products
(2 results)