2004 Fiscal Year Annual Research Report
統合プロテオミクスを基盤としたMuSKの機能異常による疾患の分子病態の解明
Project/Area Number |
16590831
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
重本 和宏 愛媛大学, 医学部, 助教授 (40284400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樅木 勝巳 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (70304615)
松田 正司 愛媛大学, 医学部, 教授 (40173843)
丸山 直記 東京都老人総合研究所, 加齢臓器障害研究グループ, 研究部長 (00115940)
久保 幸穂 東京都老人総合研究所, 加齢臓器障害研究グループ, 助手 (00280769)
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Keywords | MuSK / agrin / AChR / 重症筋無力症 |
Research Abstract |
1.MuSKに対する自己抗体が、神経筋シナプス接合部でのMuSKの機能を阻害することで重症筋無力症(MG)発症の新たな原因となるかどうか、世界的に議論されている。これまで抗MuSK自己抗体による動物発症モデルがないことや、MuSK抗体陽性の患者であっても典型的なMG症状を呈さないといった、まれな症例をもとにして否定的な考えも発表された。我々は、精製したMuSK蛋白を動物(ウサギ)に免疫することにより、MG様の症状を動物に誘発できること、またモデル動物血清中の抗MuSK抗体によってアセチルコリンリセプター(AChR)の凝集誘導が抑制されることを、世界ではじめて明確に証明することができた(論文投稿中)。興味深いことに、抗MuSK自己抗体はagrinによるMuSK活性化によるAChR凝集だけでなく、agrin非依存性のAChR凝集を抑制することを発見した。我々はさらに、未知のMuSK機能を自己抗体が抑制していることを予想し、その詳細な解析を行っている。今後、MGの疾患概念の修正の必要性も含めて、我々の作成した動物モデルにより、抗MuSK自己抗体によるMGの分子病態について詳しい解析が行うことができると期待される。 2.MuSK抗体陽性MG患者血清の自己抗体を鋭敏に検出し、その病態と結びつけて解析することができるよう、第3および第4世代のMuSK抗原検出定量の開発を行っている。すでに開発した第3世代の診断システムを使ってこれまで、全国の病院からの依頼に対して無償で検査を行っている(神戸薬科大学、国療宇多野病院との共同研究による)。我々独自の研究資源で開発しているため、海外からの制約を受けず、今後様々な臨床研究者による、この分野における我が国独自の研究発展に貢献できることを期待している。
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Research Products
(5 results)