2004 Fiscal Year Annual Research Report
新皮質のてんかん原性獲得メカニズムの局所皮質形成異常モデルにおける検討
Project/Area Number |
16590832
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
重藤 寛史 九州大学, 大学病院, 助手 (50335965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大八木 保政 九州大学, 大学病院, 講師 (30301336)
池添 浩二 九州大学, 大学病院, 講師 (80343317)
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Keywords | てんかん / 新皮質 / 皮質形成異常 / てんかん原性 / 動物モデル / キンドリング / 神経新生 / Freeze lesion |
Research Abstract |
背景:てんかん患者の脳のどの部分にてんかん原性が存在するかについては脳の構造から大きく2つに分類することができる。すなわち海馬・扁桃核を含む側頭葉内側部か、それ以外の新皮質かである。新皮質にてんかん原性がある疾患群としては脳回や新皮質層構造の局所的な形成異常がある局所皮質形成異常(Focal cortical dysplasia)が注目されている。動物実験においては、痙攣を起こさない程度の微弱な電流を海馬に間欠的に与えることで、同部位がてんかん原性をもつことが知られている(キンドリング現象)。そこで本研究ではラットに局所皮質形成異常を形成させ、同部位に海馬と同様のキンドリング現象が生じるか否かを明らかにする試みを行った。さらに海馬キンドリングモデルでは海馬顆粒細胞に神経新生が見られることが確認されているが、異常新皮質でも同様の神経新生が見られるか否かも検討した。 方法:出生初日に左頭蓋部にアイスプローブを接触させ局所皮質形成異常(Freeze lesion)を有するラットモデルを作成。出生4週目にラットの脳に記録刺激用の電極を設置。電極設置後10日後から計20日間、覚醒の状態で50Hz,パルス幅0.3mm,持続5secの短形波双極定電流刺激を与え、後放電が見られるまで電流強度を漸増した。また刺激実験終了後にBrdUを腹腔内投与し新生細胞の有無を確認した。 結果:後放電を生じる刺激閾値と生じた後放電の持続時間及び電位を、試験前後と皮質形成異常群、非形成群で比較したが、有意な差は認められなかった。また、同部にはBrdU陽性細胞を認めず、神経新生現象は生じていなかった。 結論:Freeze lesionではキンドリング現象は認められなかった。また、同部に神経新生も認められなかった。
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Research Products
(3 results)