2004 Fiscal Year Annual Research Report
多発性硬化症の疾患特異的マーカーの検出:髄液抗HnRNP-A2/B1抗体の意義
Project/Area Number |
16590833
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
黒田 康夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (30117105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末岡 栄三郎 佐賀大学, 医学部, 助教授 (00270603)
末岡 尚子 佐賀大学, 医学部, 講師 (20321846)
雪竹 基弘 佐賀大学, 医学部, 助手 (10304891)
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Keywords | 多発性硬化 / 自己免疫性中枢神経疾患 / 疾患特異的マーカー / 髄液 / 抗hnRNP-A2抗体 |
Research Abstract |
多発性硬化症は自己免疫性中枢神経疾患である。本疾患には臨床所見、血液・髄液所見、および画像検査所見に疾患特異的異常はまだ見出されておらず、診断は診断基準を用いて行われる。本疾患は急性に発症することが多く、また再発を繰り返す難病である。これらのことから、本疾患に特異的マーカーを見つけることは極めて重要と思われる。HnRNP-A2/B1はRNA結合蛋白であるが、近年中枢神経系細胞では、髄鞘形成細胞であるオリゴデンログリアで髄鞘塩基性蛋白の生成に密接な関連を有することが報告された。髄鞘塩基性蛋白は多発性硬化症の抗原と考えられている蛋白であり、我々はHnRNP-A2/B1に対する免疫反応が関係している可能性を推測した。平成16年度は患者血清および髄液で抗HnRNP-A2/B1抗体をウエスタンブロット測定した。これまでの検査結果では、多発性硬化症でこの抗体が86%の感度で検出され、特異度は93%であり、多発性硬化症の疾患マーカーになりえるとの成績を得ている。鹿児島大学をはじめとして多くの大学から測定依頼があり、一度に大量に測定できるイムノブロット方法を現在開発中である。
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