2004 Fiscal Year Annual Research Report
眼咽頭筋ジストロフィーの病態解明・治療開発-細胞・動物モデルを用いて
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16590835
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇山 英一郎 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90185075)
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Keywords | 眼咽頭筋ジストロフィー / PABPN1核内凝集体 / GCGリピート / ポリアラニン / コンドーレッド / ドキシサイクリン / HSP70 / 細胞死抑制効果 |
Research Abstract |
本年度は、眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)の発症機序・病態を解明する目的で、原因遺伝子のpoly(A) binding Protein, nuclear 1 (PABPN1)の上流、下流の関連遺伝子の動態や他の新規関連遺伝子を同定する目的で、マイクロアレイ解析をセットアップした。Gene chipはAFFYMETRIX Murine Genome U74 Setを選択し、36000種のmRNAをモニター可能とした。サンプルは私共が世界で最初に開発したヒトPABPN1の(GCG)9すなわちAlanine 13を発現させたトランスジェニックOPMDモデルマウスのM43ラインと正常(GCG)6すなわちAlanine 10を発現する正常モデルマウスを対象とし、各々18カ月齢と、4週齢のラインの筋組織を用意した。その結果、発現が減少したものだけでも120種の遺伝子が存在していた。現在上昇したものを検索中である。 平行して、ヒトOPMD患者の筋線維においてHSP70とHSP40が核内特異封入体内でPABPN1と共存するのか否かを免染で検討した。その結果、明らかに共存することが証明された。このことから本症でもβシート構造が増え、不溶性となり核内蛋白凝集を誘導すると推定され、アミロイドーシスと類似の病態をとることが考察された。そこで、COS7に(GCG)13を発現させたOPMDモデル培養細胞を用いて、アミロイドの凝集抑制作用を有するコンゴーレッドと抗生剤であるドキシサイクリンのPABPN1蛋白核内凝集抑制作用の有無と細胞死抑制効果の有無を検討した。その結果、コンゴーレジドおよびドキシサイクリンのいずれにおいても、有意にOPMDモデル培養細胞の核内PABPN1異常凝集が抑制され、核の分葉化を指標とする細胞死も有意に抑制された。
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Research Products
(3 results)