2005 Fiscal Year Annual Research Report
走型コラーゲン異常を伴うUllrich病の病態解明と治療法開発に関する研究
Project/Area Number |
16590837
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
樋口 逸郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80183573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 博 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80372803)
納 光弘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10041435)
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Keywords | Ullrich病 / collagen VI / NG2 proteoglycan / tenascin C / CD44 / 実験的治療 |
Research Abstract |
我々はウールリッヒ型先天性筋ジストロフィー(Ullrich病)におけるVI型コラーゲン(collagen VI)完全欠損を初めて明らかにし、さらにcollagen VIのホモのframeshift mutationを証明した。本症の病態を明らかにするためUllrich病と他疾患の生検筋および生検皮膚のNG2 proteoglycan, tenascin C, CD44およびcollagen VIを免疫組織化学的に検討した。その結果、NG2 proteoglycanはUllrich病の筋膜で発現が低下しており、tenascin Cは他疾患と異りマクロファージの浸潤のないUllrich病の結合織で発現が亢進していた。CD44は他疾患では再生線維を中心に筋膜で発現増強していたが、Ullrich病では発現増強がみられなかった。これらの結果から細胞外マトリックス分子,細胞接着分子の発現異常はUllrich病の病態に関与する可能性があると推定した。さらに実験的治療としてcollagen VI遺伝子のストップコドンを有する症例の線維芽細胞を用いてnonsense mediated mRNA decay (NMD)の主要酵素であるhSMG-1を抑制するRNAiを用いて、欠損しているcollagen VI蛋白を回復させることができるかどうかを検索した。hSMG-1抑制により欠損していたCOLα2(VI) mRNAと変異COL VI蛋白質の発現を認めた。免疫細胞染色では、変異COL VI蛋白質は細胞外へ分泌され、細胞外マトリックスを形成し、細胞外マトリックスの機能回復をもたらした。これらの結果NMDの抑制は、変異COLVI蛋白質の細胞外マトリックスへの取り込みと部分的機能回復をもたらし治療の標的となる可能性があると考えられる。
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Research Products
(1 results)