2005 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性神経変性疾患におけるタウ・アイソフォーム発現調節機構の検討
Project/Area Number |
16590841
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
詫間 浩 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00326258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 啓 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10159189)
富山 貴美 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (10305633)
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Keywords | タウ / FTDP-17 / エクソン10 / スプライシング / 認知症 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の臨床像である痴呆症へのタウ病変の意義は、大きな比重をしめることには多くのコンセンサスがある。これは、その他のほとんどの痴呆性神経変性疾患においても同じくタウ病変があること、さらにFTDP-17でのタウ遺伝子変異が直接の痴呆症を家族性に惹起することで証明されてきている。とくに、多くの議論がタウ遺伝子のエクソン10のスプライシング異常にあることに注目し、本研究はエクソン10のスプライシング機構解明に焦点を当ててきた。これまで、神経栄養因子からの視点での研究が皆無に近いことから、まず初代培養した神経細胞にNGF、BDNF、GDNFを添加して、そのエクソン10スプライシングを検討したが、これら液性因子の有無によっては制御されないことを明らかにした。文献学的には、発生での転写機構の変化とタウに存在する遺伝変異のみがエクソン10スプライシングを変化させることから、イントロンを含むゲノム型トランスジェニックマウスの作成を試みた。その結果、mRNAおよび蛋白の両レベルに於いて検討した。ヒト、マウスタウの区別には新規に作成したヒト特異抗体と両者を共通に認識する抗体を用いて確認した。ヒト正常型タウ遺伝子は、発生によって3Rから4Rへスプライシング変化するが、FTDP-17変異を持つ異常型タウ遺伝子は、4R発現が上昇していることが証明された。本研究では、さらに、これまでまったく不明であったCOS細胞などの非神経細胞だけでなくPC12,Neuro2aなどの株化神経細胞での細胞核内の転写・翻訳環境についての情報が実際の各週齢マウス個体脳組織での遺伝子発現と比較検討することが可能となり、以後の研究の加速を保証した点は大きな知見である。
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Research Products
(1 results)