2005 Fiscal Year Annual Research Report
FALS変異SOD1導入ES細胞由来in vitroモデル神経細胞の樹立と解析
Project/Area Number |
16590845
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
阿部 陽一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10317331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新倉 貴子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10301491)
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Keywords | ES細胞 / 筋萎縮性側索硬化症 / 病態モデル / 分化誘導 / 運動ニューロン / SOD1 / ALS |
Research Abstract |
平成16年度に改良したトランスジーン(promoter-loxP-WT-SOD1-ECFP-IRES-neo-loxP-)をES細胞に導入し、CFPの青色蛍光を指標に発現の高いクローンを複数樹立した。このうち1クローンについては神経細胞へと分化誘導可能であることを確認した。 この細胞を更に筋萎縮性側索硬化症において選択的に変性する神経細胞の一つである脊髄運動ニューロンに高効率に分化誘導する目的で、運動ニューロンの分化に必要なSonic hedgehog (Shh)を産生するCHO細胞株を3系統樹立した。これらは、1)N末端パルミトイル化・C末端コレステロール化両者を有するShhを分泌する系統、2)C末端コレステロール化のみを有するShhを分泌する系統、3)N末端パルミトイル化・C末端コレステロール化いずれも有さないShhを分泌する系統である。これらの細胞の解析から、両脂質付加を有するShhを分泌する系統ではShhは非常に分泌されにくい一方で、Dispatched1の発現によりその分泌が促進されること、両脂質付加を有するShhを分泌する系統及びC末端コレステロール化のみを有するShhを分泌する系統では、Shhは一部がfurinによりN末端の10〜15残基が欠失すること、N末端パルミトイル化のないShh及びfurinによりN末端が欠失したShhの分泌はDispatched1により制御されないことが分かった。 これに加えて、両脂質付加を有するShhを分泌する系統及びC末端コレステロール化のみを有するShhを分泌する系統がShhを分泌するためには培地中に血清中の成分が必要なこと、無血清培地でもアルブミンまたはヘパリンを添加するとShhの分泌が促進されることが明らかになり、運動ニューロン分化の過程でShh産生細胞とES細胞由来の細胞をコカルチャーする際にこれらを添加すると有効である可能性が考えられ、現在検討中である。
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