2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患・タウ蛋白蓄積症の診断法の実用化と病態解明
Project/Area Number |
16590848
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
森 秀生 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30150634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 昇弘 順天堂大学, 医学部, 講師 (50338315)
志村 秀樹 順天堂大学, 医学部, 助手 (50286746)
石黒 幸一 三菱科学生命科学研, 生命分子工学部, 主任研究員 (50374012)
小林 智則 福岡大学, 医学部, 助手 (50266053)
本井 ゆみ子 順天堂大学, 医学部, 助手 (60338407)
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Keywords | タウオパチー / タウ蛋白 / 大脳皮質基底核変性症 / 遺伝子改変動物 / トランスジェニックマウス / 培養細胞 / 認知症 / パーキンソニズム |
Research Abstract |
孤発性タウ蓄積症である大脳皮質基底核変性症と診断された8例の剖検例の検討で、臨床像が行動異常、同語反復、言語障害などの主症状を示す例があり、本疾患の臨床が多様で、それに関連するものとして皮質病変の分布に違いがあることを見出した。またパーキンソン病で認知症を伴うものと伴わないもので大脳皮質のLewy小体と神経原線維変化の程度に相違があることを明らかにした。これらはパーキンソン病のシンポジウムや海外誌に発表した。 タウ遺伝子異常N279Kの剖検例の神経病理学的解析を行った。従来指摘されている基底核、大脳皮質病変に加えて脊髄でも錐体路などの索変性や前角の神経細胞にも異常タウの蓄積がみられ、タウ遺伝子異常症での脊髄病変の重要性を指摘した。この研究成果は研究代表者によりベルリンでの国際パーキンソン病会議で発表された。またタウ遺伝子異常症に対する治療方法の開発を目指してタウのP301L変異のトランスジェニックマウスに対する炭酸リチウムの経口による慢性投与実験を行った。マウスの行動解析では運動機能の低下がリチウム投与群では軽度で、またリン酸化タウの蓄積も減少することがWestern blotと免疫組織学的検討により示された。GSK-3βの活性には投与群と非投与群の間では差はなく、ATP系を介してのGSK-3βの作用機序にリチウムが関与する可能性が考えられた。遺伝子改変動物を用いて薬物治療の有効性を示すことができた。L266V変異の培養細胞に遺伝子導入してリン酸化タウの蓄積が生じる実験結果は論文にまとめて投稿中である。
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Research Products
(5 results)