2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患・タウ蛋白蓄積症の診断法の実用化と病態解明
Project/Area Number |
16590848
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
森 秀生 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30150634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 昇弘 順天堂大学, 医学部, 講師 (50338315)
志村 秀樹 順天堂大学, 医学部, 助手 (50286746)
石黒 幸一 三菱化学生命科学研究所, 生命分子工学部, 主任研究員 (50374012)
小林 智則 福岡大学, 医学部, 助手 (50266053)
本井 ゆみ子 順天堂大学, 医学部, 助手 (60338407)
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Keywords | タウオパチー / 前頭側頭型認知症 / パーキンソニズム / タウ / リン酸化 / 大脳皮質基底核変性症 / N279K |
Research Abstract |
1.タウ遺伝子変異N279Kによる家族性パーキンソニズムの3家系の臨床・病理・分子遺伝学的解析をおこなった。 臨床症状・病理像が比較的均一であり、さらに脊髄での錐体路の変性がみられる点も明らかにした。ハプロタイプ解析では非常に古い時代に3家系では共通の祖先をもつ可能性を示した。 2.タウ異常蓄積症である大脳皮質基底核変性症の剖検例をもとに同疾患の臨床像の多様性を示した。その中には運動障害のみならず、進行性失語症や同語反復、などの言語症状や認知症が主症状の例があった。臨床症状に対応して大脳皮質の変性がみられた。 3.ヒトのタウ遺伝子をマウスの神経芽細胞の培養細胞(N18TG2)に遺伝子導入し、ウエスタンブロットと免疫組織化学でリン酸化されたタウ蛋白の蓄積を確認した。またこのリン酸化タウの蓄積物はユビキチン、GSK-3βの抗体にも反応してみられ、過剰なタウの発現によりタウのリン酸化とユビキチン化がおこることを示した。 4.タウオパチーモデルマウス(P301L変異マウス)を用いてLithiumを経口投与してその効果を行動解析、免疫組織化学、生化学手法を用いて検討した。投与群では運動機能検査のBalance Beam, String Agilityにおいて7ヶ月以降悪化が抑制された。記憶障害検査、不安感情の評価、運動量の評価では抑制はみられなかった。免疫組織化学、不溶性タウのウエスタンブロットでは非投与群、投与群の間では差はみられなかった。LithiumはGSK-3βを抑制するのではなく他の機序に神経保護作用による可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)