2005 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄小脳変性症におけるグルタミン酸受容体δ2対する自己免疫の研究
Project/Area Number |
16590859
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Research Institution | Shizuoka Institute of Epilepsy and Neurological Disorders |
Principal Investigator |
溝口 功一 独立行政法人国立病院機構静岡てんかん, 神経医療センター・臨床研究部・遺伝子生化学研究室, 室員 (50190666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 幸利 独立行政法人国立病院機構静岡てんかん, 神経医療センター・臨床研究部, 部長 (70262764)
田中 正樹 独立行政法人国立病院機構静岡てんかん, 神経医療センター・臨床研究部・薬理研究室, 部長 (90360809)
小尾 智一 独立行政法人国立病院機構静岡てんかん, 神経医療センター・臨床研究部・遺伝子生化学研究室, 室員 (10393117)
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Keywords | 脊髄小脳変性症 / DRPLA / 多系統萎縮症 / GluRε2 / GluRδ2 / 神経細胞死 / 慢性小脳炎 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトでは、グルタミン酸受容体自己抗体の観点から脊髄小脳変性症の病態を解明し、神経細胞死の病態の解明・新たな治療法開発を可能とするために、GluRε2・GluRδ2に対する自己抗体のスクリーニング等を行い、その結果以下のような結果を得た。 1.弧発性脊髄小脳変性症におけるグルタミン酸受容体自己抗体 弧発性脊髄小脳変性症(12症例)において、血清・髄液中の抗GluRδ2・GluRε2自己抗体を検討した。抗GluRδ2・GluRε2自己抗体が存在し、何らかの病態への関与が推測される。2種の自己抗体の検討から、多系統萎縮症では小脳プルキンエ細胞死が強く、抗GluRε2自己抗体による大脳への影響も示唆された。皮質性小脳萎縮症では、小脳プルキンエ細胞死が弱く、大脳への影響も少ないことが示唆された。これらの自己抗体の特徴は多系統萎縮症・皮質性小脳萎縮症の臨床的特徴と矛盾がないように思われる。 2.遺伝性脊髄小脳変性症におけるグルタミシ酸受容体自己抗体 遺伝性脊髄小脳変性症患者(10例)において、血清・髄液中の抗GluRδ2・GluRε2自己抗体を検討した。優性遺伝性脊髄小脳変性症では、抗GluRδ2・GluRε2自己抗体が血清中・髄液中に存在し、神経細胞死を含む何らかの病態への関与が推測された。髄液中のGluRδ2自己抗体は、DRPLA発病後に出現してくることもあり、1次的原因というより2次的に病態に関与している可能性が示唆された。髄液中の抗GluRε2自己抗体は、DRPLAの知的障害・認知症症状に関連している可能性がある。
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Research Products
(6 results)