2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト髄液中脳型カルボキシペプチダーゼBの痴呆性疾患診断学的意義の解明
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16590860
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
松本 明 財団法人先端医療振興財団, 部長 (80181759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 正剛 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80243319)
櫻井 孝 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50335444)
近藤 威 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50273769)
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Keywords | ヒト脳型カルボキシペプチダーゼB / ベータアミロイド / 質量分析 / アルツハイマー病 / 軽度認知障害 / 臨床情報データベース / 髄液 / 早期診断マーカー |
Research Abstract |
(1)各診療施設および臨床研究組織においてinformed consentが得られた髄液検査を受ける患者から採取した平成16年度内の髄液検体数は77例である。検体は各診療施設による匿名化の後、その臨床情報とともに研究施設に提供された。匿名化は被検者個人の追跡データと連結させる必要があるため、連結可能な様式で行った。研究の対象とする個人の人権擁護のため、その個人に関わる情報は当該診療施設の共同研究者の責任で匿名化の後、連結表が保管されている。検体は分画の後、臨床情報は画像情報などの整理の後、それぞれ本機関・臨床研究情報センターに設置の検体保管システムおよび臨床情報管理システムに随時管理保管されている。 (2、3)予備的規模の解析から、研究計画(2)で計画したウエスタン解析は(3)の質量分析解析と比較して、感度、定量性の両面で劣り、(3)の成果が(2)のそれを包摂するものであることが明らかになったので、本解析はすべて(3)に依った。平成16年7月から、独立行政法人産業技術総合研究所セルエンジニアリング研究センター(兵庫県尼崎市)に設置されている質量分析機(米国サイファージェン社製)を招聘研究員として共同利用しており、既に髄液検体の調製法(保存、分離、濃縮など)、解析測定の手技・条件検討など予備的研究を終え、至適保存保管条件検体の限外濾過による濃縮手法を決定し、本解析に至適化したモノクロナル抗体(C14モジュール)および同単クローンエピトープのポリクロナル抗体とプロテインチップを用いた抗体相互作用実験の手技を確立した。まず、Aβ1-42/Aβ1-40比のAD例における低下について本施設での追試の結果(40例)、臨床診断の確定したAD由来の検体については正常例と比較して有意差を確認したが、一部の軽度認知障害(MCI)やAD例では当該比の低下は見られず、元々含有比率の小さい分子種の狭い変動巾を追っているので、早期診断マーカーの形質としては困難が予想された。一方診断確定したAD由来の検体についてHBCPBを解析した結果、AD例でのAβ1-42/Aβ1-40比の低下とはレシプロカルな発現増加を確認した。 (4)両者の発現量の変動相関についてAD,MCI、他疾患及び正常例について相関解析中である。
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Research Products
(3 results)