2004 Fiscal Year Annual Research Report
GLUT4の翻訳後修飾による新たな「インスリン感受性」調節機構の研究
Project/Area Number |
16590867
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柴田 宏 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (20235584)
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Keywords | インスリン感受性 / 脂肪細胞 / 糖輸送 / SUMO化 / Ubc9 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
骨格筋および脂肪細胞はインスリン刺激により、細胞内へのグルコース輸送が数倍ないし十数倍活性化される。このような高いインスリン感受性グルコース輸送はこれらの細胞に特徴的に見られるものであるが、この高いインスリン感受性を発現・維持する機構は不明である。一方、ヒト2型糖尿病では骨格筋・脂肪細胞においてインスリン感受性グルコース取り込みの障害(インスリン抵抗性)が存在することが知られており、インスリン感受性を発現・維持する機構の解明は糖尿病に見られるインスリン抵抗性の病態の解明あるいは新たな糖尿病治療薬の開発につながることが期待される。 本研究では、脂肪細胞のインスリン感受性発現における翻訳後修飾機構の関与について検討を行った。その結果、(1)SUMO化縮合酵素Ubc9の発現量が脂肪細胞の分化に伴い増加すること、(2)Ubc9を過剰発現した脂肪細胞では、GLUT4発現量の増加と、インスリン感受性コンパートメントへのターゲティングの促進がみられ、その結果としてインスリン感受性グルコース輸送が増強されること、(3)Ubc9発現を抑制することにより、GLUT4の分解が促進され、発現量の低下と、インスリン感受性グルコース輸送の低下が見られること、等を明らかにした。これらの結果は、脂肪細胞のインスリン感受性の発現・維持に、GLUT4の細胞内ターゲティングが大きく影響すること、またUbc9がGLUT4の細胞内ターゲティングに重要な役割を果たすことを示すものである。 これらの成績は第46回および第47回日本糖尿病学会学術総会、第81回日本生理学会大会、群馬大学生体調節研究所シンポジウム「生活習慣病の分子医学」等において発表した。
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Research Products
(1 results)