2005 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム病態形成におけるチロシンホスファターゼ1Bの役割
Project/Area Number |
16590876
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
前川 聡 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00209363)
|
Keywords | PTP1B / 高インスリン血症 / インスリンクリアランス / インスリン分解 |
Research Abstract |
チロシン脱リン酸化酵素の一つであるPTP1Bは、インスリン受容体やIR-S1を脱リン酸化することで、インスリン抵抗性を引き起こす。我々は、高ブドウ糖および高インスリン培養肝細胞や、高果糖食負荷ラット肝臓において、PTP1Bの発現が亢進し、PTP1Bがインスリン抵抗性の原因として重要であることを報告してきた。最近、PTP1BがPP2Aを活性化し、活性化したPP2AがSP1を活性化することで、SREBP-1の転写を刺激してSREBP-1発現を増加させることを報告し、PTP1Bがインスリン抵抗性の原因としてだけでなく、高中性脂肪(TG)血症の原因にもなることを示した。 今回、アデノウイルスを用いて、PTP1Bをマウス肝臓に発現させたところ、高インスリン血症を示した。この高インスリン血症発症の分子機構として肝臓におけるインスリン抵抗性の関与が示唆されるが、血中Cペプチドを測定したところ、対象群との間に大きな差を認めず、肝臓におけるインスリン分子のクリアランスの低下が示唆された。そこで、培養肝細胞を用いて、インスリン受容体によるインスリン取り込み、およびインスリン分解に対するPTP1B発現の効果を検討した。PTP1Bは、インスリン受容体のチロシンリン酸化を障害することで、インスリン受容体の細胞内移動を障害する可能性が示唆された。
|
Research Products
(4 results)