2005 Fiscal Year Annual Research Report
スルホニルウレア受容体1KOβ細胞におけるcAMP情報伝達経路の障害部位の解明
Project/Area Number |
16590891
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中崎 満浩 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40363626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郡山 暢之 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50363643)
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
加計 正文 秋田大学, 医学部, 助教授 (90214270)
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Keywords | スルホニルウレア受容体 / インスリン分泌 / サイクリックAMP |
Research Abstract |
前年度の研究実績では、total internal reflection fluorescence microscopy(TIRFM)を用いた実験より、SUR1KOβ細胞においては分泌顆粒のfusion過程に異常がある可能性を報告した。本年度はα-toxinにてpermeabilizeしたisletを用いて、Ca^<2+>とATPに依存したインスリン開口放出機構におけるcAMPの作用、ならびにその下流におけるPKA、cAMP-GEFの役割について検討した。cAMPによる分泌増加率は、いずれのCa^<2+>においても同等(約1.3倍)であった。cAMP-GEFを特異的に刺激するcAMPアナログである100μMの8-pCPT-2'-0-Me-cAMP(8-(4-chloro-phenylthio)-2'-0-methyl cAMP)によるインスリン分泌増加率は1.25±0.05倍であり、ATPの存在を必要とした。他方、PKAを特異的に刺激する100μMの6-Bnz-cAMP(N^6-Benzoyl cAMP)はインスリン分泌作用を示さず、500μMの6-Bnz-cAMPではインスリン分泌は減少し、washout後に反跳現象が認められた。PKA阻害薬であるH-89(N-[2-(p-bromocinnamylamino)ethyl]-5-isoquinolinesulfonamide)存在下での10μM cAMPによるインスリン分泌増加率は1.29±0.04倍でありH-89の影響をうけなかった。以上より、1)cAMP-GEFはインスリン分泌過程におけるreadily releasable pool(即時放出可能プール)に分泌顆粒を補充することにより、インスリン開口放出を増強すること、2)cAMPの下流の分子としてcAMP-GEFが有力であること、が示唆された。
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Research Products
(1 results)