2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症における糸球体足細胞スリット膜構造分子の極性制御に関する研究
Project/Area Number |
16590892
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梅村 敏 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00128589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸谷 義幸 横浜市立大学, 附属病院, 準教授 (30237143)
橋本 達夫 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20363806)
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Keywords | 糖尿病 / 腎症 / レニン・アンジオテンシン系 / ネフリン |
Research Abstract |
1.糖尿病における足細胞の極性制御:ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病モデルでの検討 8週齢のマウスにSTZ(125mg/kgBW)を2回連日腹腔内に投与して作製した糖尿病モデルマウスを用いて、解析を行った。STZ投与12週後には、血糖値、尿蛋白共に上昇しており、組織学的にも糸球体におけるPAS陽性部分の増加が認められた。これらの所見はATla-/-では軽微であった。現在、腎皮質のnephrin、P-cadherin、α-actinin、CD2AP、ZO-1、PKCλ、PAR3、PAR6、ASIP、Cav-1の発現解析中(免疫組織化学およびWestern blot法)である。 2.他の糖尿病モデル動物における腎症の評価 糖尿病モデルとしてdb/dbマウスを用いて検討した。db/dbマウスは6ヶ月齢で著腸なアルブミン尿、および糸球体病変を呈する。3ヶ月齢より6ヶ月齢までアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を長期投与したdb/dbマウスでは、db/dbマウスに比べて尿中アルブミン排泄量が少なく、糸球体病変も軽微であった。腎皮質におけるnephrin、WT-1、podocin、およびCD2AP遺伝子発現はコントロールマウスに比べてdb/dbマウスで増加しており、ARB投与群での発現はコントロールマウスと同様であった。極性制御因子であるPKCλ、PKCζ、ASIPの発現は不変であった。db/dbマウスではアンジオテンシノーゲン遺伝子発現も3倍程度に増加しており、db/dbマウスにおけるレニン-アンジオテンシン系の亢進の一因となっていると思われた。さらに、db/dbマウスの腎臓における酸化ストレス状態を、尿および組織を用いて検討した。db/dbマウスでは、尿中酸化ストレスマーカーが著明に増加しており、腎組織では糸球体に酸化ストレスマーカーの染色が認められた。これらの変化はARB投与で改善した。アンジオテンシンII刺激が、糖尿病性腎症における糸球体の酸化ストレスを増強し、尿蛋白を増加させている機序が考えられた(投稿準備中)。 3.PKCλ遺伝子改変動物を用いた検討 PKCλ遺伝子改変動物を用い、スリット膜蛋白の機能、特に尿蛋白の出現への影響を検討する。nephrinプロモーターを用いて、糸球体足細胞のみでPKCλを欠損したマウスを用い、共同で解析中である。
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Research Products
(7 results)