2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内コレステロールエステル蓄積をきたす病態の解明とその治療への応用
Project/Area Number |
16590895
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮崎 章 昭和大学, 医学部, 教授 (70253721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 茂樹 昭和大学, 医学部, 講師 (40054043)
竹屋 元裕 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90155052)
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Keywords | マクロファージ / ACAT-1 / ウロテンシンII / 泡沫細胞 / 高グルコース |
Research Abstract |
高血圧や糖尿病により動脈硬化の発症・進展が促進されることはよく知られているが、その分子機構は明らかでない。動脈硬化の初期病変に特徴的なマクロファージ由来泡沫細胞の形成には、細胞内コレステロールエステル化酵素、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素-1(ACAT-1)が重要な役割を持つ。本研究では、培養ヒトマクロファージのACAT-1発現に対する高グルコースや強力な血管収縮物質として知られるウロテンシンII(U-II)の効果を検討した。健常者の末梢血からヒト単球を調製し、7日間培養してマクロファージに分化させた。このとき同時にUIIを添加してACAT-1発現に対する効果を検討した。ウェスタンブロットによる検討では、25nMのU-IIによりACAT-1蛋白発現は2.5倍に増加した。これに伴い、ACAT活性は3倍に増加した。ノーザンブロットによる検討では、培養7日目のACAT-1 mRNAはUIIにより2倍に増加した。また高グルコースのACAT-1発現に対する効果を検討すると、ACAT-1蛋白発現は100mg/dLのグルコースに比べ200mg/dLのグルコースでは2倍に増加した。単球・マクロファージをU-IIと高グルコースに同時に暴露すると、ACAT-1発現に対する相加的作用がみられた。U-IIや高グルコースによるマクロファージのACAT-1発現増強は、高血圧や糖尿病により動脈硬化が促進される一因となっている可能性がある。
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Research Products
(3 results)