2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内コレステロールエステル蓄積をきたす病態の解明とその治療への応用
Project/Area Number |
16590895
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮崎 章 昭和大学, 医学部, 教授 (70253721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 茂樹 昭和大学, 医学部, 講師 (40054043)
竹屋 元裕 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90155052)
渡部 琢也 昭和大学, 医学部, 助教授 (30297014)
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Keywords | 動脈硬化 / マクロファージ / セロトニン / ACAT / 泡沫化 |
Research Abstract |
動脈硬化初期病変は細胞内にコレステロールエステルを蓄積したマクロファージ由来泡沫細胞が特徴的である。マクロファージの泡沫化には細胞内コレステロールエステル化酵素、acyl-coenzyme A: cholesterol acyltransferase-1(ACAT-1)が重要である。今回、活性化された血小板から分泌される血管作動性物質であるセロトニン(5-HT)のACAT-1発現に対する作用を、培養ヒト単球・マクロファージを用いて検討した。ヒト末梢血から単球を調製し、5-HT添加のもと7日間培養してマクロファージに分化させた。ウエスタンブロット解析では、単球からマクロファージに分化する7日目まで時間依存性にACAT-1発現は増加し、5-HT存在下ではその発現が更に増強された。培養7日目での検討では、濃度10μMの5-HTによりACAT-1蛋白発現およびACAT活性は各々約2倍に増加した。5-HTによる小胞体上のACAT-1発現促進の細胞内情報伝達経路の検討のため、マクロファージの分化を抑制しない低濃度で5-HT_<2A>受容体桔抗剤(sarpogrelate)、その代謝物(M-1)、Gタンパク質阻害剤(GDP-β-S)、PKC阻害剤(Rottlerin)、Srcファミリー阻害剤(PP2)、MAPKキナーゼ阻害剤(PD98059)にてそれぞれ前処置しておくと、5-HT誘発性のACAT-1発現促進は完全に抑制された。ノーザンブロット解析では、2.8kbと3.6kbのACAT-1mRNAが5-HT(10μM)により、各々約1.8倍にまで増加していた。5-HTはACAT-1の発現促進を介して動脈硬化病変の進展を促進している可能性がある。
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Research Products
(6 results)