2005 Fiscal Year Annual Research Report
核内ホルモンによる負のフィードバックの分子機構の解明-内分泌腫瘍の成因との関わり
Project/Area Number |
16590899
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 具樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60203973)
|
Keywords | 核内ホルモン受容体 / ステロイドホルモン / 甲状腺ホルモン / ビタミンD / DNA-PK |
Research Abstract |
我々は、活性型ビタミンD依存的にDNA-PKによるビタミンD受容体(VDR)の燐酸化が起こり、その結果PTHrP遺伝子発現が抑制される機構を提唱した(BBRC2003)。今回我々は、a)非常に興味あることに培養乳癌MCF-7細胞において、ビタミンDだけでなくエストロゲン(17βE2)、テストステロン(DHT)、デキサメサゾン、甲状腺ホルモン(T3)、プロゲステロンによっても、同様の濃度(10nM)と時間経過(投与後5時間に60〜70%の最大効果が認められる)によって各核内受容体(NR)依存的にPTHrP遺伝子が抑制されることを見い出した(Okazaki et al. J.Bone Min.Res.(Abst) 2004 & 2005)。b)さらにDNA-PKのSiRNAやアンチセンスDNAの導入および阻害薬を用いた実験によって、これらのホルモンによるPTHrP遺伝子発現抑制は完全に解除された。c)IP-ウェスタンおよびChIPアッセイから、これらの核内ホルモンによるPTHrP遺伝子発現抑制には、各NRとDNA-PKおよび、PTHrP遺伝子上の20数塩基から成るDNA配列(nVDRE)の、各ホルモン依存的な結合(または動員)が必要であることが分かった。不思議なことにレチノイン酸(all-transおよび9-cis)やトログリタゾンではこの抑制は認められなかった(投稿準備中)。d)同様の転写抑制は内因性のPTHrP遺伝子ばかりでなく、nVDRE配列を持ったレポーター遺伝子においてもこの配列特異的に認められた。 これらの結果については米国骨ミネラル学会で、04年および05年oral presentationと成果をあげ、現在2編の論文にまとめ投稿準備中である。
|
Research Products
(3 results)