2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590901
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神部 福司 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (00211871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
大森 幸子 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (20233273)
中川 幸光 三菱ウェルファーマ株式会社, 創薬基盤研究所, 所長
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Keywords | DHCR24 / コレステロール / インスリン / アポトーシス / カベオラ / Akt / Bad / caveolin |
Research Abstract |
我々がコルチゾル産生副腎腺腫から同定したDHCR24は、抗アポトーシス蛋白であると共にコレステロール生合成を司る酵素である。本研究ではDHCR24ノックアウトマウスの胎仔繊維芽細胞(KO-MEF)を用いて、コレステロール生合成の欠如が細胞の増殖に及ぼす影響を検討した。インスリン等の増殖因子はAktを活性化し、Badのリン酸化を介してアポトーシスを抑制する。昨年度の成績から、KO-MEFではインスリンによるAkt、Badのリン酸化の減弱が観察され、コレステロール生合成が欠如した細胞ではインスリンによる抗アポトーシス作用の減弱が起こることが示された。カベオラ(caveolae)は、コレステロールに富む細胞膜マイクロドメインであるり、構造タンパクとしてcaveolin-1を含む。ショ糖勾配遠心法でKO-MEFからカベオラ分画を調製しインスリン受容体(IR)とcaveolin-1の局在を検討すると、野生型MEFではIRは主にカベオラ分画に検出され、MEFにおいてIRはカベオラに存在することが示された。一方、KO-MEFではカベオラ分画のIRとcaveolin-1が著明に減少し、カベオラ構造の破壊が示唆された。Plasma membrane sheetsを調製し細胞膜上のIRとcaveolin-1の局在を検討すると、KO MEFではcaveolin-1とIRの蛍光シグナルの強度は低下し、その分布パターンの重なりも減少した。次に、インスリンによる細胞内シグナル伝達を検討すると、野生型MEFではインスリンによりIRS-1(Tyr-608)、Akt(Thr-308,Ser-473)、Bad(Ser-136)が速やかにリン酸化された。しかしながら、KO MEFではそれらのリン酸化は有意に低下していた。KO MEFへコレステロールを供給すると、インスリン作用の減弱は消失した。以上の結果から、カベオラに存在するIRが機能的であり、コレステロール低下によるIRのカベオラからの離脱はインスリン作用不全をもたらすことが示された。本年度の研究により、インスリンによるAkt-Badを含む細胞生存カスケードの活性化に、IRがカベオラに存在することが重要であること、細胞内コレステロールはそうしたカベオラ構造の維持に重要であることが示された。
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Research Products
(7 results)