2004 Fiscal Year Annual Research Report
血栓症における新しい病因の解明-性ステロイドによるプロテインSの調節とその異常-
Project/Area Number |
16590910
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大中 佳三 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (30325518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱崎 直孝 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00091265)
高柳 涼一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30154917)
|
Keywords | プロテインS / 血栓症 / ホルモン補充療法 / エストロゲン |
Research Abstract |
本年度は主にエストロゲンによるヒトプロテインS遺伝子の調節機構の解明をおこなった。 1.ヒトプロテインS遺伝子のpromoter活性に対する性ステロイドの作用メカニズムの解析: ヒトプロテインS遺伝子のpromoter領域約6kbをクローニングし、ルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込んだ発現ベクターを構築、ヒト肝癌由来細胞株(PLC)に一過性にtransfectionし、ルシフェラーゼアッセイを行った。10^<-7>Mの17β-エストラジオールはプロテインSのpromoter活性を約20%低下した。この結果はエストロゲンが血中の遊離プロテインS(全体の約40%が遊離型で、これが活性を示す)を約50%低下させる可能性を示している。プロゲステロンやジヒドロテストステロンなど他のステロイドホルモンではpromoter活性に変化は見られなかった。promoter領域を種々の長さにdeletionした、あるいはmutationを導入したconstructにて検討した結果、+12〜+26の領域がエストロゲンによるプロテインSの転写抑制に重要と考えられた。 2.エストロゲンのヒトプロテインS遺伝子のpromoterへの作用に関与するタンパク質の解析: 1で同定した領域には典型的なエストロゲン応答配列は存在せず、エストロゲンの抑制作用は他の蛋白質(転写因子)との相互作用を介する可能性が高い。現在、この領域に結合する蛋白をElectrophoretic mobility Shift Assay(EMSA)等により解析をおこなっている。
|
Research Products
(6 results)