2005 Fiscal Year Annual Research Report
血栓症における新しい病因の解明-性ステロイドによるプロテインSの調節とその異常-
Project/Area Number |
16590910
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大中 佳三 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (30325518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱崎 直孝 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00091265)
高柳 涼一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30154917)
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Keywords | プロテインS / 血栓症 / ホルモン補充療法 / エストロゲン |
Research Abstract |
1「ヒトプロテインS遺伝子のpromoter領域のSNPsの意義の解明」 ヒトプロテインS遺伝子のpromoter領域のスクリーニングの結果同定された遺伝子多型(SNPs)のひとつが、女性においてのみプロテインS活性と相関する可能性を見出した(男性では相関を認めなかった)。この遺伝子多型を含むプロテインS遺伝子のpromoter領域をルシフェラーゼ遺伝子の上流域に組み込み、そのpromoter活性へのエストロゲンの影響を検証している。 2「大規模コホートにおける血栓症、動脈硬化症でのSNPsの意義の解明」 21世紀COEプロジェクトで構築を進めているコホート集団の中で、検診受診の女性(31〜85歳)を対象に頸動脈エコーによる動脈硬化度の計測・評価、血栓症や心血管疾患の病歴・家族歴の有無の調査、プロテインS活性の測定、血中エストラジオール濃度を含めた生化学データおよびゲノム情報(プロモーターを含めたプロテインS遺伝子のSNPs)の解析を行った。プロテインS活性は年齢と正相関を示し、閉経後に比べ閉経前では低下していた。頸動脈エコーによる内膜中膜肥厚度は副腎アンドロゲンDHEA-Sと負の相関、ホモシスチンと正相関を認めた。しかし、内膜中膜肥厚度とプロテインS活性には有意な相関はみられなかったため、解析対象数を増やすとともに、血栓症、ホルモン補充療法者、さらに、心血管イベントの病歴の有無との相関についての解析を進めている。
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