2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウロテンシン・ウロコルチンファミリーの病態生理学的意義
Project/Area Number |
16590919
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Research Institution | Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
成瀬 光栄 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌研究部, 部長 (40120018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 太助 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌研究部, 生体統御研究室長 (40393194)
今城 俊浩 日本医科大学, 医学部, 助教授 (50183190)
田辺 晶代 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00236655)
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Keywords | ウロテンシン / ウロコルチン / 心臓リモデリング / コラーゲン |
Research Abstract |
ウロテンシン(UT)II、ウロコルチン(UCN)はUT/UCNファミリーに位置付けられ、心血管系への作用が注目されるが詳細は不明である。平成16年度に続きin vitro、in vivoの実験によりその病態生理学的意義を解析した。1)9週齢の雄性WKYとSHR-SPに低用量(UCN-L)または高用量(UCN-H)のUCNを4週間慢性投与した。UCN-LではWKY,SHR-SPいずれも昇圧を認めなかったが、UCN-HではSHR-SPで有意な昇圧を認めた。WKYではUCN-Hによってのみ心臓BNP、ET-1、collagen type III、COX2、osteopontin mRNAの有意な発現増加を認めた。SHR-SPではUCN-Lにより心臓BNP、ET-1、collagen type I, type III、COX2、osteopontinの有意な発現増加を認め、UCN-HではCRF2受容体mRNA発現の減少があり、これらの変化は認めなかった。以上より、高血圧ではUCNに対する感受性が高く、低用量でも心臓の線維化、リモデリングに影響する事が示唆された。2)ヒト冠状動脈平滑筋細胞を培養後、無血清培地下でUT IIまたはUCNで刺激し、炎症、線維化マーカーのcollagen type 1、fibronectin、macrophage chemoattractant protein-1(MCP-1)、TGFβ1、COX2、osteopontinのmRNA発現をreal-time PCRにて解析した。その結果、UT II、UCNともにCOX-2、osteopontin(2時間をピーク)、MCP-1(4時間をピーク)mRNA発現を用量依存性に増加した。以上からUT、UCNは心血管系細胞に作用し、急性期には炎症関連サイトカインを賦活化すると共に、慢性期にはコラーゲン産生を増加し、特に高血圧では、それらに対する感受性が亢進していることが示唆された。
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