2005 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞性白血病に対する骨髄非破壊的臍帯血移植後の抗腫瘍免疫の解析
Project/Area Number |
16590926
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内丸 薫 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60251203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 聡 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60226834)
小柳津 直樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00282773)
渡邊 俊樹 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30182934)
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Keywords | 成人T細胞性白血病 / 臍帯血移植 / 骨髄非破壊的移植 / proviral load |
Research Abstract |
本年度は昨年移植を施行した2症例につき経時的に末梢血サンプルを採取分離し移植後の経過を解析した。骨髄破壊的な前処置で臍帯血移植を施行した第1症例は、移植後Day60までに末梢血中proviral loadが感度以下に達したのちDay100以降再び検出されているが、1年までの追跡で3copies/1000PBMNCのレベルに良好にコントロールされている。血縁者間骨髄非破壊的末梢血幹細胞移植を施行した第2症例は、Day130までに末梢血中proviral loadが感度以下になり1年後まで持続している。いずれの症例も完全寛解を持続、良好な経過を取っている。リンパ腫型ATLでは腫瘍細胞の末梢血中での動態など不明な点が多く、HTLV-1組み込み部位塩基配列を用いたATL細胞検出系の確立を試みた。腫瘍サンプルよりDNAを抽出しinverse-long PCR法によりプロウイルス組み込み部位近傍のDNAを増幅し塩基配列を決定した。この塩基配列に基づき特異的プライマーを設定してPCRによる末梢血中のATL細胞の検出系を確立した。これら2症例において腫瘍と同一クローンを末梢血中に検出した。第1例では経時的検討により、移植後末梢血中腫瘍細胞もPCRによる解析感度以下となった。第2例については解析を継続している(2006年リンパ網内系学会発表予定)。これら症例での移植後の抗HTLV-1免疫能の解析目的に経時的に末梢血単核球を分離保存した。移植後の患者末梢血よりHTLV-1感染細胞株の樹立を試みたが、現在までのところ細胞株の樹立が成功せず解析が施行できなかった。また、移植症例については病棟運営の関係から登録症例数がのばせず、上記2例の施行にとどまった。
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Research Products
(4 results)