2004 Fiscal Year Annual Research Report
変異レセプターチロシンキナーゼによる造血器腫瘍発症機構の解明
Project/Area Number |
16590938
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水木 満佐央 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80283761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294083)
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60346202)
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Keywords | FLT3 / c-Kit / tyrosine kinase / oncogene / leukemia / mutation / chaperone / activation loop |
Research Abstract |
チロシンキナーゼの活性化変異は多くの癌に共通して認められる遺伝子異常であり、特に造血幹細胞に発現するtypeIIIレセプター型チロシンキナーゼc-Kit,FLT3の活性化変異は造血器重瘍の発症に重要な役割を担っている。c-Kit,FLT3は共に膜直下領域、キナーゼ領域の変異により恒常的活性化を示すが、特にキナーゼ領域変異体は膜直下領域変異に比して、チロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性を示し分子標的療法において大きな問題である。我々はキナーゼ領域変異の活性化機構を明らかとすることによりその阻害療法の開発の可能性について検討した。これまでの我々の研究によりキナーゼ領域変異c-Kitにおいてはキナーゼインサート部位のTyr719をPheに置換することでPI3kinaseのp85subunitとの結合が消失すると共にチロシンキナーゼ活性そのものも消失することが明らかとなっていたが、キナーゼ領域変異FLT3(FLT3Asp838→Val;FLT3Asp838Val)においてはキナーゼ領域のTyr892,Tyr922をPheに置換することでキナーゼ活性が消失した。このように活性化変異チロシンキナーゼにおいては、特定のチロシン残基の置換によりそのキナーゼ活性が阻害されることが示された。Tyr892Phe,Tyr922Phe変異FLT3Asp838Valのキナーゼ活性は温度を低下させることで一部回復し、温度感受性を示した。またTyr892Phe,Tyr922Phe変異FLT3Asp838Valはその蛋白の分解が亢進しており、シャペロン蛋白であるHsp90,Cdc37を共発現させることでそのキナーゼ活性の回復を見た。これらの事実よりTyr892,Tyr922はTyr892Phe,Tyr922Phe変異はFLT3Asp838Valの活性化構造の安定性に重要なチロシン残基であることが明らかとなった。さらに野生型FLT3においてこれらのTyr892Phe,Tyr922Pheの影響を検討したところ、そのリガンド依存性の活性化は一部阻害されるものの残存していた。以上より特にTyr892,Tyr922は活性化変異FLT3の新たな阻害療法の標的となるものと考えられた。
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Research Products
(7 results)