2005 Fiscal Year Annual Research Report
PRドメイン欠損型EVI1/MEL1S蛋白質発現による白血病発症機構の解析
Project/Area Number |
16590950
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西片 一朗 宮崎大学, 医学部, 助手 (50253844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白神 俊幸 宮崎大学, 医学部, 助手 (70363596)
森下 和広 宮崎大学, 医学部, 教授 (80260321)
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Keywords | MEL1S / EVI1 / EVI1欠損マウス / 造血幹細胞 / GATA-2 / HDAC / TSA / 白血病発症機構 |
Research Abstract |
PRドメイン欠損型EVI1/MEL1S蛋白質発現によるGATA-2転写制御と白血病発症機構 MEL1はt(1;3)転座を有する血液異常で転座点近傍より遺伝子を単離したPRドメインをもつ転写因子である。t(1;3)転座白血病細胞では主にPRドメインを欠くMEL1Sが高発現であり、EVI1との構造や機能、関わる病態等、多くの類似点が明らかになったが、発症機構は不明であった。我々はEvi-1欠損マウスの解析(Yuasa et al., EMBO J,2005)を踏まえ、マウスEML-C1やヒトHELで発現したEVI1がGATA-2遺伝子上流に存在するEVI1結合DNA配列へ直接結合しPCAF関与でGATA-2転写を促進したが、同じDNA配列への結合が顆粒球分化能をもつIL-3依存性マウス骨髄細胞株L-G3ではHDAC依存性の転写抑制でG-CSFの分化誘導を阻止したことからEVI1の異所性発現が転写制御を変え白血病につながると考え、siRNAやアンチセンスによるEVI1発現阻止の影響をEVI1高発現ヒト白血病細胞(UCSD/AML1、MOLM1)で、MEL1SによるGATA-2発現調節の可能性をL-G3で検討した。その結果、EVI1 siRNA導入後UCSD/AML1はEVI1もGATA-2も一過性に発現低下し増殖も抑制、EVI1アンチセンス導入MOLM1も顕著な増殖低下を起したが、EVI1発現のないHL60では影響しなかった。MEL1S導入L-G3は分化が抑制されたが、HDAC阻害剤TSA存在下G-CSFでの分化が回復した。MEL1Sが直接HDACに結合できCtBP非結合変異体の導入でも分化しないため、分化抑制にはHDACとの直接的な相互作用による転写抑制の関与が想定された。MEL1S導入L-G3に対するアレー解析及びRT-PCRの結果、GATA-2の発現低下が判明、MEL1S高発現白血病細胞にも、MEL1Sに依存したGATA-2発現調節やEVI1と共通の白血病発症機構の存在が示唆された。
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