2004 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ系腫瘍におけるMUM1/IRF4の転写標的遺伝子の同定と治療標的分子の探索
Project/Area Number |
16590953
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
飯田 真介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50295614)
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Keywords | MUM1 / IRF4 / MIG / 慢性リンパ性白血病 / び慢性大細胞型リンパ腫 / CXCR3 / FKBP3 / 転写調節 |
Research Abstract |
MUM1/IRF4発現はび漫性大細胞型リンパ腫の中でも予後不良病型であるActivated B-cell type(ABC)で特異的に発現しているが、その生物学的役割については不明である。我々は、MUM1が転写制御因子であることからその下流で転写調節を受けている遺伝子群の解析を進めた。まずマウスのIL-3依存性proB細胞株であるBa/F3細胞にMUM1を強制発現させた。MUM1発現Ba/F3細胞はIL-3非存在下でのアポトーシスからの回避は認めなかったが、IL-3存在下での細胞飽和密度の増加を認めた。またMUM1発現Ba/F3細胞にMUM1のアンチセンスcDNAを遺伝子導入しその発現を低下させると増殖能の抑制が認められた。これらの結果からMUM1はBa/F3細胞に対して増殖促進作用を持っていることが明らかとなった。そこでMUM1の下流に存在し転写レベルで制御を受けている遺伝子群をclontech社製のcDNAアレイ(4,800遺伝子)をスクリーニングし、標的遺伝子としてMIG,FKBP3,Faim,ZFP94を同定した。MIGはケモカインでありそのプロモーター領域を用いたレポーターアッセイおよびChIPアッセイによってMUM1はPU.1とヘテロダイマーを形成してMIG遺伝子を転写活性化することを明らかにした。またB細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLL)細胞株はその表面にMIGの受容体であるCXCR3を発現している。我々はB-CLL細胞株の半数でMUM1とMIGを共発現していることを見いだし抗MIGあるいは抗CXCR3中和抗体を用いて細胞株増殖に及ぼす影響を調べたところ、それらの増殖を抑制することを見いだした。これらは我々が同定した予後不良群を形成するMUM1陽性B-CLLの増殖にMIG-CXCR3システムが関与していることを示しており新たな治療標的となりうるものと考えられた。
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Research Products
(6 results)