2004 Fiscal Year Annual Research Report
巨核球胞体突起形成刺激時におけるRho/Rac・Cdc42伝達シグナル系の解析
Project/Area Number |
16590958
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石田 陽治 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (70151389)
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Keywords | 巨核球 / 胞体突起形成 / シグナル伝達 / PKC / PI3K / Rho |
Research Abstract |
1.マウス巨核球がPPF刺激因子(HDL/TAT)で刺激を受けた際、どのようなシグナル伝達系を介してPPFを引き起こすかについて検討する。 マウス骨髄細胞からPercoll密度勾配法とBSAグラデイエントを用いて巨核球を精製した。無血清下でPPF刺激因子(HDL/TAT)と下記の阻害剤とを加えて培養し、24時間後の胞体突起形勢(PPF)をきたす巨核球の比率を測定した。PD98059(MAPK阻害剤 10μM:116.8±15.9%, n=4)、SB203580(p38 MAPK阻害剤 10μM:120.6±27.6%, n=4)は巨核球PPFを阻害しなかった。KT5720(Protein kinase A阻害剤1μM,10μM)ではほとんどの巨核球が生存していなかった。BIM(PKC阻害剤 1μM:12.1±6.8%, 10μM:1.2±1.2%, n=4)では85%以上の生存率がありながら、巨核球PPFは阻害された。LY294002(PI3K 阻害剤1μM:89.3±7.8%,10μM:67.5±7.5%,100μM:9.6±5.4%)も同様に阻害された。Y27632(Rho kinase阻害剤)はHDL/TAT存在下(1μM:117.4±12.8%,10μM:137.7±12.4%(p<0.05),100μM:168.0±15.7%(p<0.01))、非存在下(1μM:151.3±8.5%(p<0.01),10μM:229.9±22.5%(p<0.01),100μM:345.2±28.9%(p<0.01),n=4)で巨核球PPFを刺激した。以上より、巨核球PPFはPKC、PI3K、最終的にはRho/Rho kinaseシグナル系が関与していることが強く示唆された。 2.マウス巨核球の精製 AutoMacsを用いて、マウス骨髄細胞からstem cell antigen(SCA-1)陽性細胞を精製した。血清存在下でc-kit ligandならびにTPOと培養してCD41陽性細胞の比率をフローサイトメトリにて測定した。8x10^7のマウス骨髄細胞からlineage抗体を用いて1.5x10^6のlineage陰性細胞を得た。最終的に得られた5x10^3のSca-1(+)細胞を上記の条件で培養した。CD61陽性細胞比率は8日後9.7%、10日後22.0%、13日後40.7%、15日後39.5%であった。以上より、マウス骨髄細胞から前駆細胞を精製しc-kit ligandならびにTPOと培養すれば、かなりの純度で巨核球を単離することが可能と考えられた。
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Research Products
(9 results)