2005 Fiscal Year Annual Research Report
巨核球胞体突起形成刺激時におけるRho/Rac・Cdc42伝達シグナル系の解析
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16590958
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Research Institution | Iwate Medical University School of Medicine |
Principal Investigator |
石田 陽治 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70151389)
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Keywords | 巨核球 / 胞体突起形成(PPF) / Rac / Rho / アクチン / チュブリン |
Research Abstract |
1.マウス巨核球の精製 前年度の報告したように、AutoMacsを用いて、マウス骨髄細胞からstem cell antigen(SCA-1)陽性細胞を精製した。血清存在下でc-kit ligandならびにTPOと培養してCD61陽性細胞の比率をフローサイトメトリにて測定したところ、純度は約50-60%でマウス巨核球を精製することが可能となったが、8x10^7のマウス骨髄細胞から5x10^3のSca-1(+)細胞しか得られなかった。それらを培養しても5x10^4程度しかマウス巨核球が得られないという結果となった。Western blotに必要な10^6程度のマウス巨核球を得ることは、上記の方法では難しいと考えた。が、一部の実験ではマウス20匹を用いて上記の方法でマウス巨核球を精製し、シグナル伝達系蛋白のWestern blotを検討した。マウス巨核球をPPF刺激因子で刺激したところ、活性型Racは60分で増加し180分でもとに復した。リン酸化cofilinは60分で増加し以後低下した。 2.マウス巨核球がPPF刺激因子(HDL/TAT)で刺激を受けた際、どのようなシグナル伝達系を介してPPFを引き起こすかについて検討する。 マウス巨核球をPercoll比重遠心法、BSA濃度勾配法を用いて部分精製した。PPFはRhoキナーゼの阻害剤Y27632(10μM)添加で有意に増加し、PI3K阻害剤LY294002(100μM)、Src familyキナーゼ阻害剤PPI(20μM)で有意に減少したことからRho/Rac系が関与していると考えられる。上記のRacの活性化の結果と合致した。 1,2の結果から、PPF刺激因子はRacを活性化し、その下流でcofilinのリン酸化をおこすものと考えられた。 3.シグナル伝達系の時間的解析 細胞数がWestern blot施行に不十分な数しか採取できないので、巨核球をスライドグラス上でPPF刺激因子とともに培養した。時間の経過にしたがって細胞を固定。シグナル伝達蛋白のリン酸化抗体とアクチン、チュブリンを蛍光で標識して、刺激経過後のシグナル伝達系の解析を行なったところ2と同じ結果を得た。
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Research Products
(12 results)