2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄異形成症候群における染色体メチル化プロファイリング
Project/Area Number |
16590962
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
矢ケ崎 史治 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40265418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 晃 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10219438)
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Keywords | MDS / H3 K9 di-methylation / 複雑型染色体異常 / monosomy 7 / Alu / LINE |
Research Abstract |
造血器腫瘍ではDNAメチル化と腫瘍化との関連が示唆され、DNAメチル化阻害剤が-7や複雑型染色体異常を有するMDSの予後を改善することが報告されている。近年、真核生物ではヒストンH3 K9のメチル化によりDNAメチル化酵素がリクルートされ転写が不活化されること、またMDS発症に関与するMLL遺伝子がH3 K4のメチル化酵素であることが明らかになった。本年度はMDSにおいて直接的にepigeneticな発現調節を受ける遺伝子を単離するべきと考え、MDS好中球におけるglobalなヒストンH3のメチル化修飾状態を検討し、更にクロマチン免疫沈降法(ChIPs)を用いH3 K9メチル化領域に対応する塩基配列を解析した。対象はRA :4例、RAEB1:4例、RAEB2/AML :2例で、末血より好中球を分離、ヒストンを抽出後、抗H3 di or tri methyl K4、抗H3 di or tri methyl K9抗体を用い、Western Blot法により解析した。結果、健常者に比較してH3 K4、K9のhyper tri-methylationを5/10例、2/9例、H3 K4、K9のhyper di-methylationを4/9例、6/10例に認めた。H3 K9 hyper di-methylationは-7/複雑核型異常を有する3/3例(100%)で認め、他(42.9%)に比して高頻度であった(p=0.0126)。-7を有する患者検体を用いdi-methyl K9に対するChIPsにより抽出された塩基配列はAlu(38.3%)、LINEs(37.0%)等の反復配列が中心を占めることが明らかになった。
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