2005 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア・テロメラーゼを介した造血器腫瘍の分子病態の解析と分子標的療法の開発
Project/Area Number |
16590965
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
田内 哲三 東京医科大学, 医学部, 講師 (80281377)
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Keywords | テロメラーゼ / 優勢変異型hTERT / テロメスタチン / アポトーシス / DNA damage / p38MAP Kinase / 分子標的療法 |
Research Abstract |
優勢変異型TERT発現白血病細胞、テロメスタチン添加細胞ではDNA damageが誘発され、ATM、Chk2が活性化することを報告したが、アポトーシス誘導のメカニズムについてはいまだに不明である。本研究ではテロメラーゼ阻害分子によるアポトーシス誘導の分子機構を明らかにするために以下の検討を行った。優勢変異型hTERT導入U937細胞株(U937-DN-hTERT)はlate passage clone ; PD25を用いた。テロメスタチン添加U937細胞はPD5,10,20と経時的にアポトーシス関連分子及びJNK、p38MAP Kinase、MKK3/6、ASK1について免疫ブロットにて解析した。p38MAP Kinase選択的阻害剤としてSB20358O(10μM)を使用した。優勢変異型hTERT発現U937細胞、テロメスタチン2μM添加U937細胞共に、day30より細胞増殖の停止がみられるのに対し、p38MAP Kinase阻害剤SB203580 10μM添加すると優勢変異型hTERT発現U937細胞では細胞増殖能の回復が確認された。アポトーシス誘導細胞についての解析を行ったところ、テロメスタチン添加U937細胞、優勢変異型hTERT発現U937細胞ともに、p38MAP Kinase阻害剤添加にてアポトーシス誘導細胞の減少が確認された。PARP及びCaspase-3の活性化についてしたところ、テロメスタチン添加U937細胞PD20及び優勢変異型hTERT発現U937細胞ではcleaved PARP及びcleaved Caspase-3の増加が確認された。この他、Bcl-2、BAD、Bax、Bidの発現及びリン酸化については変化は見られなかった。MKK3/6の活性化について解析したところ、テロメスタチン添加U937細胞PD25及び優勢変異型hTERT発現U937細胞ではMKK3/6の活性化が確認された。同様にp38MAP Kinaseについても、テロメスタチン添加U937細胞PD2O及び優勢変異型hTERT発現U937細胞ではphospho-p38MAP Kinase抗体にてp38MAP Kinaseの活性化が確認された。この他、ASK-1、JNKの活性化はテロメスタチン添加U937細胞及び優勢変異型hTERT発現U937細胞では確認できなかった。優勢変異型hTERT発現U937細胞及びテロメスタチン添加U937細胞ではテロメア維持機構の破綻によりDNA damageが誘発され、MKK3/6及びp38MAP Kinaseの活性化を介してアポトーシス誘導がおこると考えられる。
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Research Products
(5 results)