2004 Fiscal Year Annual Research Report
SUMO化蛋白の凝集現象を応用した抗癌剤のアポトーシス関連標的分子群の解析と創薬
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16590966
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
照井 康仁 財団法人 癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 研究員 (10285786)
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Keywords | SUMO修飾 / NFAT1 / 転写活性 / 核内保持 |
Research Abstract |
SUMO修飾基質を同定するため、in vitro翻訳蛋白をスクリーニングし、in vitro sumoylation assayを行った。実際にはマウス脾臓由来cDNAをin vitro翻訳ベクターに組み込み、SP6プロモーターを利用したin vitro翻訳蛋白のライブラリーを作製した。その蛋白をin vitro sumoylation assayシステムに添加し、SUMO修飾基質を同定スクリーニングを行ったところ、約100クローン中5クローンが陽性で、その中に活性化T細胞転写因子であるNFAT1が同定された。全長NFAT1を用いたin vitro sumoylation assayやSUMO-1遺伝子との共発現により、NFAT1がSUMO修飾されることを確認した。また、SUMO修飾モチーフの検索から3カ所のSUMO修飾リジン残基が予測されたため、mutagenesisによりリジンをアルギニンに変換した変異NFAT1を作製したところ、リジン684と897がSUMO修飾され、リジン684のSUMO修飾がリジン897のSUMO修飾に必要であることが判明した。細胞内局在に関しての検討では変異のないNFAT1は非刺激状態で細胞質内に存在し、刺激状態では核内に存在するが、変異NFAT1は核内維持ができず、リジン897のSUMO修飾がNFAT1の核内保持に重要な働きをもっていることが解明された。さらに、その転写活性をルシフェラーゼassayにより検討したところ、リジン684のSUMO修飾が転写活性促進に必要であることが明らかとなった。以上より、T細胞の活性化に重要なNFAT1はリジン684と897がSUMO修飾され、リジン684のSUMO修飾はリジン897のSUMO修飾に必要であり、転写活性亢進に関与しており、リジン897のSUMO修飾は核内保持に重要であると考えられた。このことはT細胞における免疫抑制を考える上で重要な発見である。
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Research Products
(2 results)