2005 Fiscal Year Annual Research Report
RSウイルスに対する自然免疫応答の分子遺伝学的解析に基づく喘息発症機構の解明
Project/Area Number |
16590975
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
河野 陽一 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60161882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下条 直樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (40221303)
冨板 美奈子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60344991)
藤井 克則 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (70344992)
石和田 稔彦 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (30344980)
|
Keywords | RSウイルス / TLR4 / CD14 / 遺伝子多型 / 細気管支炎 |
Research Abstract |
Respiratory syncytial virus FタンパクはTLR4およびCD14を介して認識され、Th1型の免疫反応が誘導される。したがってTLR4、CD14の発現および機能の低下はRSV感染時のTh1反応の誘導不全をきたし、RSV細気管支炎の発症および細気管支炎後の反復性喘鳴および喘息発症に関与する可能性がある。 本年度は前年度に引き続き、RSV細気管支炎とCD14遺伝子多型の関係について解析した。RSV細気管支炎患者としては、その規準を厳密にし、出生体重2500g以下、先天性疾患を有するもの、RSV感染以前に反復する喘鳴を有するものは除外した。前年度よりも対象を増やし、110人の健康人と47人のRSV細気管支炎患者で検討を行った。RSV細気管支炎患者は健康人と比べ、CD14C(-550)T多型において、有意にCCの割合(CCvsCT+TT,p=0.0003,OR3.84(95%CI1.87-8.94))およびCアリルの割合(p=0.003,OR2.64(95%CI1.38-5.04))が高かった。昨年度の調査と同様に、CD14C(-159)多型とは有意な関係はなかった。RSV細気管支炎後の反復性喘鳴の有無とCD14C(-159)TおよびCD14C(-550)T多型の間に有意な関係はなかった。以上から、CD14C(-550)遺伝子多型はRSV細気管支炎発症の遺伝因子の一つであることが示唆された。
|