2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい展開をみせたグランザイムBによる自己免疫疾患発症・病態形成への役割の検討
Project/Area Number |
16590986
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井田 弘明 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60363496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 勝美 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30128160)
川上 純 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90325639)
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Keywords | グランザイムB / NK細胞 / アポトーシス / サイトカイン / シェーグレン症候群 / SS-B(La)蛋白 / 自己抗体 / PI-9 |
Research Abstract |
I.グランザイムBの細胞機能へ及ぼす影響の基礎的検討 グランザイムB陽性細胞自身のグランザイムBの影響の検討 NK細胞死の中でサイトカイン誘導型NK細胞死のメカニズムを検討した。 サイトカイン(IL-18+IL-12+IL-2)をNK細胞へ添加後、3日目にAnnexin V coated beadsを使用してアポトーシスを生じたNK細胞(Annexin V (+)NK)とアポトーシスを生じていないNK細胞(Annexin V (-)NK)とに分離、各々の細胞群における細胞内構成成分の違いをウエスタンブロット法で確認した。Annexin V陽性NK細胞では、Annexin V陰性NK細胞に比べて、グランザイムB/PI-9(グランザイムBインヒビター)比が約5.1倍高からたことから、NK細胞内のグランザイムBがサイトカイン誘導型、NK細胞死に関係していることが示唆された。 II.グランザイムBの自己免疫疾患の病態へ及ぼす影響の検討 グランザイムBが関与した自己抗体の検出 唾液腺細胞由来細胞株(HSG細胞)から無細胞系蛋白を抽出後、グランザイムBを添加、蛋白をゲル電気泳動し、原発性シェーグレン症候群(SS)患者血清を使用してウエスタンブロット法で自己抗体をスクリーニングした。SS患者59例中10例にグランザイムBを添加した蛋白に対してのみ、27kDの蛋白に対して抗体が検出された。モノクローナル抗体による検索の結果、この抗体は、断片化されたSS-B(La)蛋白に対する抗体であった。レコンビナントLa蛋白を使用した吸収実験にて、断片化されたLa蛋白に対するエピトープをもつ自己抗体が存在したSS患者は、10例中4例であった。以上の結果から、グランザイムBによる唾液腺細胞のアポトーシスが自己抗体産生に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)