2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧の発症における骨髄由来内皮前駆細胞動態と内科的再生治療への応用
Project/Area Number |
16591023
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三谷 義英 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60273380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 淳子 三重大学, 医学部, 講師 (50263017)
出口 隆生 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (70345990)
丸山 一男 三重大学, 医学部, 教授 (20181828)
駒田 美弘 三重大学, 医学部, 教授 (80186791)
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Keywords | 肺高血圧 / 内皮前駆細胞 / 再生医療 / 炎症 / 血管新 |
Research Abstract |
実験的肺高血圧の発症と骨髄由来細胞の関与を検討する目的で、骨髄移植モデルを作成した。全身の細胞が緑食に発色するeGFP transgenic mouseの骨髄を致死量の放射線照射した野生型マウスに移植し、6週から0.5気圧の低気圧低酸素に暴露する事により肺高血圧モデルを作成した。低酸素暴露期間は、10日、21日でその後10日、21日の通常気圧で飼育した。各点での右室肥大(右室/左室重量比)、肺血管病変の定量的評価(正常で非筋性血管の筋性化率)を評価し、共焦点顕微鏡によりGreenに発色する骨髄由来細胞とCD31(内皮マーカー)、αアクチン(平滑筋)、CD45(白血球系マーカー)の2重染色を行った。 結果では、低酸素暴露10日、21日で各々右室肥大、肺血管病変が誘導された。CD31陽性骨髄由来細胞は、種々の太さの肺血管に認められたが、αアクチン陽性骨髄由来細胞は認めず、またCD45陽性骨髄由来細胞は多数認めた。以上から、本モデルにおいて、骨髄由来の平滑筋細胞の関与は認めないが、内皮細胞動態、白血球系細胞動態への関与が証明された。 次に一酸化窒素前駆物質L-アルギニン及びプロスタサイクリン製剤ベラプロスト投与の肺高血圧抑制効果が、骨髄由来細胞の肺への取り込みと関連するかを検討した。各々の薬剤は、低酸素暴露21日目で右室肥大と肺血管病変を抑制した。ベラプロスト投与は、肺における骨髄由来内皮細胞、白血球の取込みを変化させなかったが、L-アルギニンは骨髄由来内皮細胞の取込みを増加し、白血球の取込みを現象させ、骨髄由来内皮細胞動態の亢進することが肺高血圧抑制する一つの機序である可能性を示唆した。上記を現在投稿中である。
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