2004 Fiscal Year Annual Research Report
外胚葉形成不全免疫不全症候群におけるヒトT細胞発達分化の解析
Project/Area Number |
16591025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西小森 隆太 京都大学, 医学研究科, 助手 (70359800)
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Keywords | 外胚葉形成不全免疫不全症候群 / NEMO / フローサイトメトリー / 細胞内染色 / T細胞 |
Research Abstract |
原発性免疫不全症のひとつである外胚葉形成不全免疫不全症候群(NF-κB Essential Modulator(NEMO)異常症)におけるヒトT細胞分化発達異常を解析するため、NEMO遺伝子の重複にreversion mosaicismを合併した症例のT細胞の解析を行った。同症例では重複によりNEMO蛋白の発現が殆ど見られない細胞とreversionにより全く正常化NEMOを発現した細胞が混在した。単一細胞レベルでの解析を可能とするため、NEMO遺伝子発現をflow cytometryにて行う検出法を開発した。T細胞においてはCD4、CD8陽性細胞ともにNEMOが正常発現しているものが大部分であった。また細胞内サイトカイン染色により、NEMO発現低下細胞はIFN-γ産生細胞の減少を認めた。以上より、NEMOはT細胞の発達、分化に不可欠でありまたIFN-γ産生T細胞への分化にも重要と考えられた。(Nishikomori, R et al. Blood,2004;103:4565-4572) 続いて、日本人における外胚葉形成不全免疫不全症候群の全4症例(R105P 2例、A169P 1例、1167insC 1例)において、T細胞分化の異常を検討するため、末梢血のflow cytometry解析を行ったところ、T細胞分化の異常は認めなかった。即ち、後者4症例ではNEMO残存活性が初めの症例より多いことが推察された。また、NEMO細胞内染色を用いた迅速診断の可能性について、同4症例について検討したところ、1167insCの症例では明らかなNEMO染色の低下を認めた。日本における外胚葉形成不全免疫不全症候群の診断において、NEMO細胞内染色が有用である症例が計5例中2例存在することが判った。
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Research Products
(6 results)