2005 Fiscal Year Annual Research Report
重症チアノーゼ性心疾患児への肺血管新生療法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16591047
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
浜岡 建城 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (60189602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 公 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80295659)
高松 哲郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (40154900)
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Keywords | 肺血管形成 / 血管内皮細胞 / 肺上皮細胞 / VEGF / Flk-1 / Flt-1 / クロストーク |
Research Abstract |
重症チアノーゼ性心疾患に見られる肺血流分布異常の発現機構を明らかにするため、マウス胎仔肺を用いて初期形態形成における血管発生過程を共焦点レーザ走査顕微鏡を用いて時・空間的に明らかにし、VEGFを始めとする各種血管新生因子の発現様式、機能を検証した。さらに胎生6.5日の妊娠マウスにレチノイン酸投与によるHeterotaxyモデルマウスの表現系の解析を行った。これまでに肺血管形成過程は4段階に分けられ、肺上皮細胞からのparacrine形式のVEGFシグナルが血管内皮細胞の増殖、分化を促進することを明らかにした。またマウス胎仔肺組織培養の系でFlk-1/Flt-1のantisense oligonucleotideを用いて血管内皮細胞の機能阻害実験を行ったところFlk-1の機能阻害により血管網の分枝が有意に阻害され、DNA合成能低下およびアポトーシス増加に起因することが明らかになった。一方Flt-1の機能阻害により血管内皮細胞の増生とともに一様な径を有する血管網の形成が阻害され、DNA合成能亢進が関与すると考えられた。同時に血管内皮細胞の分化について検証を行ったところ、Flk-1機能阻害により動脈性血管内皮細胞マーカーであるe phrinB2の発現は低下しFlt-1機能阻害によりe phrinB2発現亢進が認められた。さらに両receptorのクロストークの有無を検証したところ、Flk-1機能阻害によりFlt-1発現は変化しないが、Flt-1機能阻害によりFlk-1発現亢進が認められた。以上よりFlk-1はFlt-1により負に制御されるのに対しFlt-1はFlk-1を介さない独自のメカニズムにより制御されていることが示された。 またレチノイン酸投与により約30%の胎仔にHeterotaxia(Right isomerism)が生じるとともに肺毛細血管網と肺胞上皮に構築異常が認められた。心奇形として大血管転位、両大血管右室起始、共通房室弁孔が認められた。現在、表現系をきたすメカニズムについて検証中である。
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Research Products
(5 results)