2005 Fiscal Year Annual Research Report
新生児・乳幼児における細菌性スーパー抗原による感染症の免疫学的病態解析
Project/Area Number |
16591050
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高橋 尚人 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50197159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 洋子 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10238826)
郡司 勇治 自治医科大学, 医学部, 講師 (90245043)
矢田 ゆかり 自治医科大学, 医学部, 助手 (00296089)
齋藤 慎二 自治医科大学, 医学部, 助手 (50195989)
菊池 賢 自治医科大学, 医学部, 講師 (60214748)
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Keywords | スーパー抗原 / TSST-1 / TSS / 新生児TSS様発疹症 / NTED / MRSA / 川崎病 |
Research Abstract |
I.新生児TSS様発疹症NTEDの解析 全国169施設に調査票を送付し、NTEDの現状を調査した。2005年にNTED症例を経験した施設は40施設で合計121症例。早産児48/121(39.7%)、正期産児68/121(56.2%)。早産児は減少したが、正期産児は増加していた。死亡例は超低出生体重児2例。正期産児症例の増加、特にMSSAによる例の増加などNTEDの様相が変化してきていることが判明した。 NTEDの原因であるTSST-1に対する、本邦の妊娠母体および臍帯血の抗TSST-1抗体価について、また、重症NTED症例の症例報告について、それぞれ論文作成を終えて投稿した。 II.TSS症例の解析 toxic shock syndrome (TSS)2症例の、末梢血TCR Vβ2陽性T細胞の緩徐な減少と急性期のTCR Vβ2陽性T細胞の末梢血からの消失について、第一回アジア小児科学会で報告した。1例は論文として投稿中。 III.川崎病症例の解析 川崎病症例において、特異的T細胞の詳細な解析を継続中である。現在、20症例解析において、5例にTCR Vβ2陽性T細胞の変化を認めた。多形核白血球にも活性化を認めている。今後さらに症例数を増加し結論を出したい。 IV.スーパー抗原関連疾患におけるサイトカインの解析 自治医大小児科に多項目サイトカインの測定機が設置され、小児のスーパー抗原関連疾患において、最も解析が遅れていたサイトカインについて、現時点で17種類の検討が可能になった。関節リウマチでIL-6、NTED疑い例や新生児感染症でIL-6、IL-8、IL-10、G-CSF、IL-13などの、サイトカインの上昇が確認できた。今後、症例の増加により、各サイトカインの役割が解明できると期待される。 V.エルシニア菌・溶連菌感染症の解析 現時点で、疑い例のみの検討であり、今後確定症例を待って検討を続ける予定である。
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Research Products
(2 results)